準々決勝 柏レイソル対モンテレイ サントス初戦の相手は柏に決定!
昨日12月11日日曜日、こちらの時間で朝の8時30分からクラブW杯の試合があり、TV観戦した。
この時間、ちょうど先週始まったNHKの「坂の上の雲」第3部の開始時間とまさに一緒なのである。この壮大なドラマもとても楽しみにしていたので、どちらを見ようか一瞬迷うところだったが、クラブW杯を見ることにした。
この試合は、柏レイソルと北中米王者のメキシコのモンテレイとの対戦だった。私にとっては、日本のチームを見たいというよりも、我が心のチーム、サントスの対戦相手が決まるという点が最大の関心だった。
柏レイソルの試合は、初戦のオークランド・シティー戦も見たので、Jリーグの最終戦から3試合連続して見たことになる。このチームについて、まったく基礎知識がなかった状態から、だいぶわかるようになってきた。
一方のモンテレイは、まったく知らないチームだ。メキシコといえば、リベルタドーレスの常連のアメリカなどは、(リベルタドーレスで)何度もサントスとも対戦しており、馴染みがあるが、このチームはまったく知らなかった。
戦前のイメージでは、中南米特有のしつこく、いやらしくプレーが荒いチームかと思っていたが、まったくそのような感じはなく、かなりあっさりしていた。
この日、私は所用でサンパウロに行っており、滞在していたホテルのTVで見たのだが、長男の朝食に付き合ったりして、試合開始から見ることができなかった。見始めたのが前半16分からだった。
TVをつけた瞬間は、柏がボールをキープしていた。柏優勢で進んできたのかと思ったが、そんなこともないようで、それまでのシュート数は、モンテレイ5に対し柏1となっていた。
どちらにも決定的な場面はほとんどなく、一進一退といった感じだった。
意外だったのが、モンテレイにまったく怖さを感じさせる部分がなかったことだ。
だいたいリベルタドーレスとか見ていても、中南米のチームはとにかく荒く、いやらしい一癖も二癖もあるチームが多し、特にメキシコのチームにはそのようなものを感じることが多い気がしていたのだが、モンテレイはまったく普通のチームだったのだ。
この日の柏には、あまり決定的なチャンスもなく、それほど脅威は感じなかったが、前2戦で柏の強さは見せつけれれているので、この試合を見て、(サントスの)対戦相手としてはモンテレイのほうがくみ易い感じがした。
前半は0-0で終了した。
両チームとも選手交代なしで後半が開始された。
そして、後半8分に試合は動いた。柏にゴールが決まったのだ。田中からの折り返しをレアンドロ・ドミンゲスがボレーで決めたのだ。これは、超ゴラッソだ。
それまで、どちらかというとモンテレイのほうがよく見えたが、これを機に、柏にエンジンがかかりはじまった。
しかし、そんな中、柏のゴールの5分後にカウンターからモンテレイがゴールを決めたのだ。
これで1-1になった。これはおもしろくなったと思った。
モンテレイに怖さを感じないのは、前線に一人しか飛び込む選手がいないからだ。スキンヘッドの選手一人だけが飛び込んで行っていた。これではゴールの予感はしない。
それに対し柏は、これは相手が今まで以上に上手だったのだろう、今までの試合のように思うようには攻撃させてもらえていなかったが、モンテレイよりは可能性があるような感じは受けた。徹底的にレアンドロ・ドミンゲスがマークされていた。この試合を見て、やはりJリーグの年間MVPだけあり、レアンドロ・ドミンゲスはすごい選手だと思った。
その後、どちらが特にいいという感じでもなく、両チームとも追加点は奪えず、延長戦でも決着がつかずPK戦になった。
そして、柏レイソルが、準決勝進出を決め、サントスと対戦することになったのだ。
試合翌日、つまり本日12日(月)午前中に、私はサンパウロからサルヴァドールに戻ってきたのだが、サルヴァドールのいつも買う新聞を見て驚いた。何と一面が、柏レイソルの写真なのだ。レアンドロ・ドミンゲスがゴールを決めた瞬間の写真なのである。"Segura,Santos!(サントス、気をつけろ!)"という見出しがつけられていた。
今大会は、ブラジルのチームが出場することもあり、こちらでもかなり注目度が高い。
その上、開催国代表の柏レイソルの躍進劇である。この柏レイソル、監督がブラジルでも名が知られているネルシーニョ・バチスタであり、中心選手のブラジル人が二人ともサルヴァドールのあるバイーア州出身なのである。そのため、サルヴァドールでは余計に注目度が高い気がする。
さて、いよいよ明後日にサントスが登場する。それも対戦相手は、日本の柏レイソルである。どのような展開になるのだろうか?
正直、サントスはまったく強くない。ヨーロッパよりもレベルは数段に低いと思われる今年のブラジルリーグ全38試合で15勝15敗8分けという成績である。
一方の柏レイソルは、今年のJリーグを全34試合を23勝8敗3分けという立派な成績で優勝しているのだ。
ネームバリュー的に考えれば、ネイマールもガンソもエラーノもいるサントスということになるが、この戦績を見る限り、まったく楽観視することはできない。これだけのメンバーを揃えていても、普通のリーグ戦で格下相手でもいとも簡単に負けたりしているのだから・・・。
熱狂的サンチスタの私からすれば、Jの優勝チーム相手に圧倒的なゲームを披露し、さすがはブラジルの名門チームということを日本中、そして世界中にアピールしてほしいところだが、まったく安心できないのである。
更に、私はこの注目の一戦を見ることができないのである。なんということなのか、この日、この時間は、どうしても抜けられない仕事が入ってしまったのだ。
何としても、サントスに勝ってもらい、決勝に出てもらいたい。
そして、何としてでも、サントス対バルサの試合を見てみたい。その試合が実現すれば、決勝での結果など、どうでもいいとさえ思ってしまうのである。