【ロシアW杯】 ブラジルはグループリーグ1位で決勝トーナメント進出を決めた!

 ロシアW杯も開幕から2週間近くが過ぎ、続々と決勝トーナメント進出国が決まっている。

グループリーグ最終節は、今週月曜(25日)から木曜(28日)まで、2グループずつ4日に渡り試合が行われている。

首の皮一枚で踏みとどまっていたアルゼンチンは最終節での劇的勝利で決勝トーナメント進出を決めたが、前回王者で世界ランキング1位のドイツは、韓国相手の最終節で0-2と破れ、グループリーグ最下位で決勝トーナメント進出を逃している。これで、前回の優勝チームは、3大会連続で決勝トーナメント進出を逃していることになる。

 

ブラジルのグループリーグ最終戦は、27日21:00(日本時間28日早朝3:00)にモスクワのスパルタクススタジアムでセルビア相手に行われた。

ドイツのグループリーグ敗退の衝撃からほんの2時間後のことだった。

 

ドイツが負けたからってブラジルは付き合うわけにはいかない。

そんな思いを胸に、この日キャプテンを任されたCB(センターバックミランダ(インテル)を先頭にブラジルの選手たちはピッチに登場した。ブラジルの先発は、前試合とまったく同じだった。

 

セルビア、ブラジルの順で国歌斉唱がされた。

セルビアの国歌斉唱では、セルビア人選手、またセルビア人サポーターに涙を流している姿があった。

対照的に、ブラジルの国歌斉唱では、4年前のブラジル大会のときのように、演奏が終わった後も、ブラジル人サポーターが国歌を最後まで歌い続け、ブラジル人選手たちも呼応していた。感動的なシーンだ。

客席には、ブラジルのサポーターがとても多く集まっていた。

 

試合が始まった。

セルビア選手たちは体が大きく屈強でとてもコンパクトに戦っていた。グループリーグ突破のためには勝つしかないセルビアは、最初から積極的に攻め込んでいた。

対する、引き分けでも突破できるブラジルは、守備の意識が高く、慎重に戦っている印象を受けた。

 

そんな中、開始10分、左SB(サイドバック)マルセロ(レアルマドリッド)にアクシデントが発生した。

ボールを持ったマルセロが自らボールをピッチの外に出した。最初何が起こったのかよくわからなかったが、脳震盪でも起こしたのだろうか、自力でまともに歩けない様子だった。やむを得ず、フィリペ・ルイス(アトレチコマドリッド)に交代した。

マルセロは不動の左SBだが、フィリペ・ルイスも遜色なくプレーできていた。

 

ブラジルは、ボールを支配するが、なかなか突破口を開けない状態が続いていた。

そんな中、前半36分、コウチーニョバルセロナ)の好判断からのダイレクトパスに、パウリーニョバルセロナ)が絶妙の飛び出しからワンタッチで相手GKの頭上を越すループシュートでゴールを決めた。

このゴールでブラジルはだいぶ楽に試合を運べるようになった。

そのまま、前半は、1-0で折り返した。

 

後半に入りしばらく経つと、セルビアに押し込まれる場面が続いた。ブラジルは中盤でルーズボールを奪うことができず、ボールがキープできなくなったのだ。

これは危ないな、と思いながら見ていたが、何とかしのぎ続けていた。

 

そんな中、後半23分、ネイマールのCKから、チアゴ・シウヴァパリSG)がヘッドで決めて貴重な追加点を奪うことができた。

 

ブラジルは、パウリーニョからフェルナンジーニョマンチェスターシティ)、コウチーニョからへナト・アウグスト(北京国安)へと交代し、守備を固めた。

特に、中盤のカゼミーロ(レアルマドリッド)の隣にポジションを取ったフェルナンジーニョは、守備のバランスを整えていた。

 

そのまま2-0でブラジルが勝ち、グループリーグ1位となり、決勝トーナメント進出を決めることができた。

 

ネイマールも前2試合とは違い、体のキレが感じられ、終盤には何度か決定的なチャンスがあった。

今のネイマールは、守備もきちんとし、自分本位ではなく、味方選手も十分に使うようプレーしている。4年前の大会で指摘されていたネイマール依存症は完全に脱却できていると思った。

コウチーニョを筆頭に、ガブリエウ・ジェズース(マンチェスターシティ)、ウィリアン(チェルシー)、パウリーニョといった攻撃陣がネイマールに勝るとも劣らない動きを見せている。

最前線のガブリエウ・ジェズースはゴールこそ決めていないが、最前線での相手選手への猛烈なチェイシング、そして守備でもバックラインまで走り回り、献身的にプレーしており、非常に貢献度の高い選手だ。

 

ブラジル選手のコンディションは上がってきているように見える。

 

グループリーグも残すところ、日本の属するグループHとイングランド、ベルギーが進出を決めているグループGだけとなった。

決勝トーナメントについては、その2組4カ国を除く12カ国の組み合わせが決まっている。

日本が決勝トーナメントに進出するか、その場合、組み合わせのどこに入るか、とても気になるところだ。

 

次のブラジルの試合は、7月2日(月)18:00(日本時間23:00)ロシア南部サマーラでメキシコを相手に行われ、NHK総合で生中継される予定である。

 

決勝トーナメントはノックアウト方式の一発勝負なので、どの試合も手を抜けない。

簡単に勝てる試合はないだろうが、素晴らしい戦いを見続けていきたいと思う。