準々決勝第1戦ヴェレス対サントス サントス、去年のクラブW杯決勝以来の大苦戦を強いられる。
先週の木曜日、5月17日夜10時から、サントスのリベルタドーレスにおける準々決勝の第1戦が、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた。
サントスは、日曜日にサンパウロ州選手権のタイトルを獲ったばかりである。翌月曜日には、そのサンパウロ州選手権の個人賞などが発表され、ネイマールは得点王、MVPなど主要な賞を総なめにしていた。ベストイレブンにもサントスから、GKハファエロ、DFエドゥー・ドゥラセーナ、MFガンソ、そしてFWネイマールの4人が選ばれていた。
そんな中での、4強を賭けたアウェイでの第1戦だった。
サントスの先発メンバーは以下のとおりである。
GK:ハファエロ Rafael(1)
CB:右エドゥー・ドゥラセーナ Edu Dracena(2)
左ドゥリヴァウ Drival(6)
SB:右エンヒーキ Henrique(7)
左フアン Juan(16)
アロウカ Arouca(5)
MF:右エラーノ Elano(8)
左ガンソ Ganso(10)
FW:右アラン・カルデッキ Alan Kardec(19)
左ネイマール Neymar(11)
まさに、現在におけるベストメンバーである。
試合は、非常に厳しいものだった。
これは、本当に予想外だったのだが、「まったく話になっていない」という表現が適切だろうか?それほど、サントスの出来はひどかった。
相手のヴェレスの試合を今までまともに見たことがなかったが、相当に強いと思った。というか、ブラジルのチームにはない速さがあるのだ。
サントスは、自分たちの間合いでプレーしようとするのだが、ヴェレスのプレッシャーが速く、ボールキープもろくにできないほどだった。今まで気づかなかったが、やはり、今でもサントスのプレーは相当に遅いのだろう。
去年のクラブW杯決勝のバルサ戦を少し彷彿させるものがあった。あそこまでひどくはないのだが、それに近いものがあった。
試合は、終始ヴェレスに攻められっぱなしだ。なんとか、耐えに耐えてきたが、前半35分にゴールを決められてしまった。
後半序盤、少し立ち直りの兆しを見せたが、それも長くは続かなかった。
終了間際にも何度か危ないピンチがあり、「早く(試合が)終われ!」と思ったほどだった。
結局、0-1で負けた。
しかし、試合内容からして、0-1で切り抜けられたのは、本当によかったと思った。ボール支配率はわからなかったが、シュート数は、サントスの5本に対して、ヴェレスは17本である。
盛んに、TVの実況が言っていたが、去年のクラブW杯決勝での大敗以降、今年のサントスは、勝敗に関わらず全試合でゴールを決めてたのだが、その記録は途絶えた。また、今年のリベルタドーレスでは2敗しているが、これはいずれも標高3800mのラパスで行われた試合であり、標高以外で負けたのは初めてだとも言っていた。
このサントスの試合ぶりには、かなりショックを受けた。
今年のサントスは、かなり強いと思っていた矢先にこの有様である。結局、去年のバルサ戦で課題だと認識させられたスピードについては、まったく改善されていなかったということだろうか?
ネイマールもアラン・カルデッキも途中から入ったボルジェスもまったく仕事をさせてもらえなかった。そこまで球が行かないのだ。
サントスは、グループリーグでの対戦相手は、ブラジルのインテルナシオナウとボリヴィア、ペルーのチームだったので、かなりの格下と戦っていたのだろう。決勝トーナメント1回戦の相手もボリヴィアのチームだった。初めて、強豪国のチームと戦ったので、今までサントスの実力が計れなかったのだろうか?
アルゼンチンのサッカーをほとんど見たことがないのでよくわからないのだが、ヨーロッパのように速いサッカーなのだろうか?
とにかく、このヴェレスは相当に強い印象を持った。
ただ、サントスにもチャンスは当然あるだろう。
この日、エラーノがコメントしていたように、グランドコンディションは相当に悪い感じがした。サントスの選手たちが滑るシーンが何度か見られた。
そして、この劣勢だった試合を最小失点の1点で凌いだのだ。
また、一度戦い、その強さを目の当たりにしたので、その対応策を考えることができる。
第2戦は、絶対の自信を持っているホームのVila Belmiroでできるのだ。2点差で勝つことは、容易ではないかもしれないが不可能ではないはずだ。
運命の第2戦は、本日5月24日夜8時から行われる。
何としても、サントスは2点差以上で勝利し、準決勝進出を決めてほしいと願うのである。