ピトゥアス競技場でバイーアの試合を生観戦してきた

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7月10日(日)のことである。約10日前のことだが記しておきたい。

地元サルヴァドールのピトゥアス競技場へバイーアボタフォゴの試合を観に行ってきた。

 

 

我が街、サルヴァドールには二つのサッカーチームがある。一つがバイーアでもう一つはヴィトリアというチームだ。

2008年から去年まではヴィトリアがブラジル選手権1部に所属していた。しかし、去年2部に降格することが決まり、今年から2部で戦っている。

それに対し、もう一つのチームだあるバイーアは、去年まで2部に所属していたが1部への昇格を決め、今年から1部で戦っているのだ。

だいたいサルヴァドールの住民はこの二つのどちらかのファンである。しかし、圧倒的にバイーアのファンのほうが多い。比率にすると70%、30%といった具合だろうか・・・。

 

 

去年までも何度かサルヴァドールでサッカー観戦しているが、いずれもヴィトリアの試合でヴィトリアのホームのバハダオンに行っていた。

バイーアの本来のホームスタジアムは、フォンチノーヴァなのだが、2007年12月に当時3部に所属していたバイーアはその試合で2部への昇格を決め、喜んだ観客が客席でで飛び跳ねて大喜びしたらスタンドが崩落するという大事故が発生してしまったのだ。

それ以降、フォンチノーヴァは使われなくなり、それからしばらくは、その崩落したスタンドの一部だけが撤去された状態で放置されていた。

その後、2014年のW杯でサルヴァドールでの開催がフォンチノーヴァで行われることが決まり、スタジアムを改修するか取り壊し新築するかしばらく決まらず、そのままスタンドの約20%が撤去された状態で放置され続けていたのだ。

結局、新築することが決まり、2009年にやっと解体し、それからしばらくは工事も始められなかったが、やっと最近になって新築工事が始まったのだ。

 

 

ピトゥアス競技場は、以前にも同じ場所にあったのだが、2008年に新装オープンし、それ以降バイーアのホームスタジアムとして使われている。

私は、このスタジアムに以前2回だけ行ったことがある。

最初は、2009年12月にホベルト・カルロスのコンサートで行ったのだった。ホベルト・カルロスといってもサッカー選手のロべカルではない。歌手のホベルト・カルロスなのだ。

ブラジルでホベルト・カルロスといえば、まずは大御所の大歌手であるホベルト・カルロスを示す。ブラジルで一番有名で人気のある歌手といっても過言ではない。その歌手のショーがこのスタジアムで行われ行ってきたのが初めてだった。

2回目は、同じく2009年12月にホナウジーニョ・ガウーショがチャリティーマッチを行い、それに行った。

この時は、アミーゴ・ド・ホナウジーニョロナウジーニョの友達)チーム対バイーア州選抜という対戦だった。

公式戦を観るのは、この日が初めてだった。

 

 

さて、女子サッカーW杯ブラジル対アメリカ戦のPK戦の結果を待たずに、午後3時過ぎに自宅を出発した。

自宅周辺はすいていたが、スタジアムに近づくにつれ、渋滞が始まってきた。このスタジアムは、アヴェニーダ(Av.)パラレーラという大街道沿いにあるのだが、スタジアム付近のこのAv.パラレーラは相当な渋滞になっていた。

駐車場はあるとは聞いていたが、あまり事情に詳しくないので、Av.パラレーラ沿いに他の車がやっているのと同様に路駐することにした。路駐といっても、もぐりなのだが駐車係はおり、その駐車係に請求された5レアル(約250円)を払い、車を停め、そこから歩いてスタジアムに向かった。この時点で3時25分ぐらいだったのではないだろうか。

試合開始は4時である。十分に間に合いそうで安心した。

 

 

さて、5分ほど歩き、スタジアムに到着した。すごい人である。それもそのほとんどが、バイーアのユニフォーム姿である。

私も迷った末、バイーアの唯一持っている服(トレーニング用シャツ)を着てきた。本当にこれを着てきて正解だった。もし、バイーアの服を着ていなかったら、それこそ浮いてどうしょうもなかっただろう。ただでさえ、外国人で目立ってしまうのだから・・・。

よくスタジアムへ行く服装について、地球の歩き方などには、対戦チームのどちらかの色の服を着ず、中立色の服で行くように書かれているが、これは誤りだと思う。ブラジルのサッカーの場合、圧倒的大多数の観客がホームチームの応援である。この試合でも90~95%はバイーアのサポーターだ。そのため、特にアウェイチームを応援するのではなければ、ホームチームに特化したほうが絶対に安全だ。身を守るために、ホームチームのユニフォームを身に纏うのが一番の安全策だと思う。

 

 

さて、スタジアムに着いたが、このスタジアムで公式戦のサッカー観戦をするのは初めてなので、要領がよくわからない。

入場券は前日に買っておき、すべて同じ価格だと聞いていたので、できるだけよく見える正面側に行き、入場しようとしたら、このチケットでは入れないと言われた。そのため、反対側のバックスタンド側に入ることにした。

すでに試合開始10分ほど前になっていたが、けっこう空席が目立っていた。適当なところに腰を下ろした。バイーア側なのだが、アウェイ席に一番近いところだった。

 

 

私は、特にバイーアのファンでもヴィトリアのファンでもない。ブラジルリーグでは応援しているのはサントスだけだ。しかし、先日バイーアのヒカルジーニョに会ったこともあり、地元のチームなので、自分がスタジアム観戦できるためにも、サルヴァドールのチームには1部にいてほしいと思う。そのため、バイーアには頑張ってほしいと思うのである。

 

 

その日の新聞のスタメン予想に、ヒカルジーニョの名前はなかったが、ヒカルジーニョは先発出場を果たしていた。これだけで、とても嬉しくなった。

背番号80番のヒカルジーニョは、派手さはなく、黒子に徹している感じだったが、非常にハンサムに見えた。遠目に見ると、まるでビートルズジョージ・ハリスンだ。とてもかっこいい。

背番号200番もいる。マルコーニという選手だ。この日が200試合出場らしい。そのためこの日は200番という番号をつけていたのだ。

 

 

試合前のセレモニー、国歌斉唱が行われ、その後すぐに試合が始まった。

それにしても、スタジアムでの生観戦は本当にいいものだ。どんなチームの試合でもわくわくしてくる。

生観戦は、今年2月にパカエンブーでサンパウロ州選手権のコリンチャンス対サントスの試合を観て以来、今年2回目である。

 

 

対戦相手はボタフォゴというリオのチームである。このチームの選手と言えば、何といってもロッコ・アブレウだ。この選手はすごい。決めるときに決める。去年、パカエンブーでサントス対ボタフォゴの試合を観たのだが、終了間際にロッコの一発にやられ、0-1で負けた痛い経験を持っている。相手にとっては本当に嫌な選手だ。今はウルグアイ代表としてコッパ・アメリカに参加しているので、この日の試合には出ていなかった。ということで、誰一人としてボタフォゴの選手のことを知らなかった。

 

 

試合は、ゆったりとしていた。どちらにとっても冴えない試合というか、決定的な場面が少なかった。

注目のヒカルジーニョは、なかなかいい動きをしていたと思う。プレースキックでは常にキッカーを務めていたし・・・。

しかし、けっこう動作はゆっくりだなぁと感じた。躍動感にあふれているというより、ゆったりと余裕を持ってプレーしている感じだった。しかし、精度の高い球を蹴っていたし、なかなかいい動きをしていたと思う。

 

 

先制点は、ボタフォゴだった。前半30分に、ペナルティエリア少し外でヒカルジーニョがファウルを取られた。そのフリーキックから直接決められてしまったのだ。

すぐ近くのボタフォゴの応援席は大喜びだった。

 

 

そのまま前半は0-1で終了した。

 

 

後半開始から、ヒカルジーニョは交代させられてしまった。悪くなかったと思ったのだが・・・。

バイーアは、後半開始から2人が交代し、前半とはかなりフォーメーションが変わっていた。

後半から入ったガブリエルという21番の選手はいい動きをしていた。右のウイングFWのような位置で、すごいスピード感あふれる動きだった。

確かに、ヒカルジーニョのような正確なパスを出す人はいなくなったが、スピードが増したので、後半のほうが機能していた感じがする。

なかなか点数が入らなかったが、後半32分にCKからヘディングでバイーアに待望のゴールが決まったのだ。

もう客席中、お祭り騒ぎだ。すぐ近くのボタフォゴ応援席に向かって挑発的な態度をする人も多かった。

 

 

結局そのまま1-1で試合は終了した。

 

 

バイーアは未だホームで勝っていない。これで2勝4分け3敗の勝ち点10で、20チーム中15位になった。依然として厳しい位置ではある。

一方のボタフォゴは、派手さはまったくないが、勝ち点16で5位につけた。

 

 

私は、負けなくてよかったと思った。ゴールも決めてくれたし、試合ぶりからして引き分けという結果は悪くないと思った。

 

 

この試合、試合開始早々こそかなり空席が目立っていたが、見事に満員になった。観客数約32000人である。本当に集客力があると思う。サントスなんか、せいぜい10000人ぐらいしか入らない。この違いは何なのだろうか?本当にサルヴァドールのスタジアムはよく入っていると思う。

 

 

さて、帰りは、思った以上にスムーズだった。ピトゥアスは本当にいいと思った。

これが、ヴィトリアのバハダオンだったら、帰るのにまた大苦労なのだ。バハダオンは、ピトゥアスのあるAv.パラレーラから一本道をかなり奥地まで入っていくのだ。大きな駐車場がありそこにいつも停めるのだが、その駐車場から出るだけで30分近くはかかる。さらに一本道が大渋滞になるので、自宅に戻るのに優に1時間はかかるのである。

しかしピトゥアスは本当にいい。さすがにスタジアム周辺に渋滞はあるが、そこを越えれば、普通に走れる。そのため、思ったよりかなり早く7時前に帰宅することができた。

6時半から始まっていたサントス戦を思いのほか早く、前半22分からTV観戦することができたのだった。

 

 

しかし、改めて、サッカーの生観戦はいいなぁ、と思ったのであった。