いよいよ開幕! 開会式が無事に行われた!
日程の関係で、サッカーのグループリーグは既に始まっていたが、8月5日(金)(日本時間6日(土))に開会式がリオデジャネイロのマラカナンスタジアムで無事に行われた。まさに無事にという言葉がもっともふさわしいと思う。
このリオ五輪は、2009年に東京等のライバルに競り勝ち開催が決まったのだが、この決定した日の夜、当時住んでいたブラジルのサルヴァドールの街なかで、人々がオリンピックの開催決定を喜んでいた姿がはっきりと思い出される。私も、東京は選ばれなかったが、南米初の五輪開催の決定を心からおめでとう、と思った。
2009年当時、ブラジルはBRICsの筆頭として経済状態は上り調子で、前途洋々たる将来を国民の誰もが疑わなかったことだろう。
しかし、そんな上り調子の経済状況は長くは続かなかった。あの頃の勢いが嘘のように、今のブラジルは停滞しきっている。
2014年のサッカーW杯のときもそうだったが、今回のリオ五輪は特に本当に開催できるのかと思わざるを得なかった。
私は、今年3月に数日間だが、ブラジル、そしてリオデジャネイロを訪問した。
メインスタジアムのマラカナンスタジアムの前にも行ったが、本当にここでオリンピックが行われるのか、と思ったものだ。
オリンピックは4年に一度のスポーツの祭典であり、私もスポーツ観戦は大好きなので、毎回非常に楽しみにしている。
しかし、今までの大会では、開会式を一部始終見たことはなかった。
今回のリオ五輪では、初めて開会式をリアルタイムで一部始終見た。やはり、大好きなブラジル、それもブラジル随一の風光明媚なリオデジャネイロで行われる、となると注目しないわけにはいかない。
ブラジルで金曜の夜8時から、日本時間の土曜日午前8時から開始された。
開会式の演出は、映画「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスが務めた。ブラジルの歴史から文化の紹介など、なかなか見ごたえのある開会式だった。
開会式の見所は、何といっても、どんな有名人が出演するかである。特に、誰が音楽を披露するのかがもっとも注目されるところだと思う。
ブラジルの人気歌手といえば、私がブラジル在住当時の2012年ぐらいまでは、何といっても私の住んでいた街サルヴァドールが誇るアシェの女王、イヴェッチ・サンガーロだったが、2014年W杯には、同じくサルヴァドールの人気歌手クラウジア・レイチがジェニファー・ロペスとコラボレーションして主題歌を歌っていたことが思い出される。
さて、いろいろな演出が成されたが、飛行機の父として有名なサントス・ドゥモンの紹介シーンで、飛行機が飛び回りながらリオデジャネイロの景色がCGで紹介された。本当にリオの街は美しいの一言だ。街自体が芸術作品といってもよいほど、ため息が出るほどに美しいと思う。
私はこの街が大好きで、トータルで6~7回は行っている。治安の悪さはブラジル国内でも随一なのだが、この街の魅力はそれを上回るものがあり、何度でも行きたいところである。
さて、選手入場は、オリンピック発祥国ギリシャの先頭は毎度のことだが、それ以外はポルトガル語表記のアルファベット順に行われたので、通常の英語表記の順番とはだいぶ異なっていた。ドイツはGermanyではなくAlemanhaだし、アメリカもUnited StatesではなくEstados Unidosなので通常よりだいぶ早く出場していた。
日本はJapaoなので、英語表記であるJapanとほとんど変わらない。
柔道、水泳、サッカーなど主要の種目はすぐに競技が始まるのでそれらの選手たちは開会式には出ていない。そのせいもあり、日本選手団ではほとんど知っている人がいなかった。知っている有名な選手で見受けられたのは、卓球の福原愛、伊藤美誠ぐらいだった。
そして、最後にホスト国ブラジルが、「ブラジルの水彩画(Aquarela do Brasil)」の歌声にのせて入ってきた。私はブラジル音楽が大好きだが、その中でもこの曲は本当に好きな一曲である。
さすが地元開催だけあってすごい人数の選手団だった。
しかし、ちょっと笑えたのは、ブラジル選手団が着用しているジャケットだ。「C&A」と書かれたロゴが胸に入っているのだ。
「C&A」は、ブラジルでは誰もが知っている庶民的なアパレルチェーン店だ。日本でいえばユニクロに近いと思うが、おしゃれなイメージはまったくない。そのエンブレムを胸に付けているのだから、どうしたのかな、と思ってしまった。
さて、注目の歌手だが、ボサノバの父アントニオ・カルロス・ジョビンの孫であるダニエウ・ジョビンによるボサノヴァの名曲「イパネマの娘」の弾き語り、サンバの大御所ゼッカ・パゴジーニョなどが先だって出ていたが、メインでは、バイーア出身の大御所ジウベルト・ジウ、カエタノ・ヴェローゾ、そして今ブラジル国内でセクシー歌姫として大人気のアニッタが歌ったのだ。
ブラジルにもいろいろな人気女性歌手がいるが、アニッタが選ばれた。これは、人気のバロメーターになるだろう。
そして、最終聖火ランナーが聖火を点灯し、クライマックスを迎えたのだった。
最終聖火ランナーは大方の予想のペレではなく、2004年アテネ五輪男子マラソンの銅メダリスト、バンデルレイ・デ・リマだった。あのコースに乱入した観客に妨害された選手だ。そのシーンはよく覚えている。
これから約2週間、眠れない日々が続くことになるだろう。
特に大好きなブラジル、リオデジャネイロの美しい街を舞台にした五輪は、私にとっても格別である。
自分なりに、十分に楽しんでいきたいと思う。