三浦泰年著「三浦兄弟」は興味深い内容だった

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7月末から8月頭に一時帰国した際に、日本の書籍をいくつか買ってきた。主に、サッカー関係の本とビジネス書が中心だった。

そんな中真っ先に読んだのが、この本「三浦兄弟」だった。

 

 

この本は、カズの兄である三浦泰年が書いた本だ。三浦泰年というより「やっさん」と呼んだほうがしっくりくるだろう。

私は、カズが大好きである。カズがいたおかげで、サントスファンになったぐらいだ。

そして、日本のJリーグでは、清水エスパルスのファンである。

ということで、やっさんもカズほどではないが、思い入れはそれなりにある。

本屋の店頭でこの本を見つけた際には、真っ先に買うことを決めたのだった。

 

 

さて、内容は、やっさんの自叙伝のようなものなのだが、自分の歩んできたサッカー人生についてと家族についてが中心に書かれている。

そのため、カズについては当然のことなのだが、父親である納谷宣雄氏についてもよく書かれていた。

 

 

特に興味をひいたのが、ブラジルにまつわる場面である。

カズがブラジルに渡ったことは有名だが、やっさんもブラジルに渡っていたことは、この本を読むまで知らなかった。

しかしそれ以上に興味をひいたのが、納谷宣雄氏がカズがブラジルに行くと決めてすぐ、真っ先にブラジルに渡り、代理人業務のようなことを始めたことだった。

当時、縁もゆかりもないブラジルに単身乗り込んで事業を始めた納谷宣雄氏の行動力には脱帽する。

その当時の経緯などがかなり詳しく書かれており、本当に興味深かった。

 

 

ほかに興味をひいたのは、エメルソン・レオンにまつわる場面だ。

エメルソン・レオンといえば、清水エスパルスを筆頭に、Jリーグのいくつかのチームで監督をしており、日本でもかなり有名だと思う。

しかし、ブラジルでは、それ以上に有名な人物だ。

パウメイラスのGKとしてそしてセレソンでも長らくブラジルの最前線でプレーしており、現役引退後は、監督としてかなり名を馳せている。

しかし、この人に対する意見は、賛否両論が激しい。

セレソンの監督もしており、ブラジルの有力チームの持ち回り監督の一人であった。

しかし、その人間性は、個性が強すぎて、常にチーム内に衝突を起こすのだ。

いい例が、2006年のコリンチャンスの監督に就いたときだろう。それまで、コリンチャンスのキャプテンは、テヴェスだった。しかし、このエメルソン・レオンは、アルゼンチン人だからという理由でテヴェスからキャプテンをはく奪したのだ。

その後、テヴェスはあれほど愛されていたコリンチャンスからイングランドのチームへ移籍してしまうのだ。

いい監督なのかもしれないが、私にとっては、まったくいい印象はない。常に、チームをぶち壊して、辞めてしまう、というイメージしかないのである。

 

 

しかし、やっさんからしてみれば、エメルソン・レオンは、サッカーの恩人のような人であり、とても仕事がやりやすい人らしい。

ラモスからしてみたら、エメルソン・レオンヴェルディの監督になったから希望して京都サンガに移籍したらしいが・・・。

人にはそれぞれ、長所短所があるので、当然、人それぞれにとって、印象は違うのだろう。

 

 

まあ、そんなことはともかく、ブラジルにまつわるいろいろな話が出てきて、とても楽しく読めたのだった。