[コパアメリカ2016]予選リーグ第1節ブラジル対エクアドル ブラジル代表、まったく見せ場なく初戦勝ち星を飾ることができず!

ブラジルサッカーについて最近ほとんど見れていなかったが、今年3月には約2年ぶりにブラジルにも訪問し、久々に大好きなブラジルを体感し、サッカーの現場にも立ち会ってきた。ブラジルはブラジルで、国民は変わらずサッカーには関心があるが、皆が皆、今のセレソンは弱すぎる、と言っていたのが印象深い。

そんな中迎える今回のコパアメリカ。驚くことに、ブラジルサッカーの象徴であるネイマールは出場しない。ただでさえ、国民から見放されているセレソンであるが、人気・実力ともに抜きん出ているネイマールが出場しない今大会は、ほとんど期待されていないことは容易に想像できる。

しかし、なぜ、昨年も開催されたこの大会、通常は4年ごとに開催されているが、今年2年連続で開催されるのだろうか?

これは、第1回開催から今年ちょうど100年ということで、100周年大会として特別に開催されるようである。

また、なぜネイマールは出場しないのか?

これも理解に苦しむのだが、所属クラブであるバルセロナが、コパアメリカかオリンピックのどちらか一方の参加しか認めないとかで、オリンピックに出ることにしたネイマールはこの大会にはエントリーしていないようだ。

そんなネイマール抜きのセレソンはどうなのか、非常に興味があり、その初戦をTV観戦したのだった。

セレソンの試合自体見るのは本当に久しぶりになる。

どんなメンバーが選ばれているのか注目していたが、けっこう楽しみなメンバーも多い。何より追加召集だったようだが、ガンソが選ばれていることはとてもうれしく思った。

私がブラジルで見ていたブラジルサッカーといえば、なんといってもフットボールアルチで名を馳せた2010年~2011年頃のサントスのサッカーだ。このころはまだ駆け出し中のネイマール、そしてガンソの2大クラッキが常にセットで話題を振りまいていた。

ネイマールは2013年にバルセロナへ移籍し世界的スターに躍り出たが、対照的にガンソはセレソンからも外れ、世界的にはまったく注目されない存在になってしまっていた。

ガンソは、2012年4月のサントス100周年のメモリアルでサンパウロ州選手権の優勝に貢献した後、よりによって最大のライバルチームであるサンパウロに移籍してしまう。

その後、ポジション的にゲームメーカーとしても、ちょうどチェルシーに行きブレイクしたオスカールが台頭してきたこともあり、セレソンから外れ完全に忘れられた存在になっていた。

しかし、サンパウロではレギュラーとして着実に試合に出ているようであり、常々ガンソのプレーをぜひ見たいと思っていた。今回、久々にベンチにいたガンソの姿を見て、懐かしさと同時にうれしさを感じた。この日は出場機会はなかったが、ぜひプレーを見たいと思う。

そして、もう一人の注目選手は、ガビゴウだ。まだ19歳だが、すでにサントスの10番を背負い、ネイマールの再来とも称され、今もっとも期待されているブラジル人選手といっても過言ではないだろう。ガブリエウ・バルボーザ・アルメイダというが、ガブリエウという名前の選手は山ほどおり、あまりにゴールを量産するのでガビゴウと呼ばれる。

そんな私が注目する2人は先発していなかったこの試合だが、なんとも低調に終わってしまった。

攻撃の核となるのは、右のウィリアン(チェルシー)、左のフェリペ・コウチーニョリヴァプール)、ボランチの欧州チャンピオンズリーグ決勝での活躍も記憶に新しいカゼミーロ(レアル・マドリッド)、そして両SBのダニエウ・アウヴェスバルセロナ)、フェリペ・ルイス(アトレチコ・マドリッド)といったところだった。

ウィリアンやコウチーニョなどは悪くないのだが、全体的に迫力不足なのだ。

前半はほぼ互角だったと思うが、後半はほとんどチャンスらしいチャンスはなかったのではないだろうか。

エクアドルといえば、以前なら完全に格下だ。しかし、今では、2018年ロシアW杯の南米予選の状況を見てもわかるように、6位のブラジルに対し、エクアドルは2位で勝ち点でいえば1位のウルグアイと並んでいる。以前なら、ブラジル、アルゼンチンは抜きん出た存在だったが、今状況はまったく異なっているのだ。

この日の試合を見ても、ブラジルの選手たちは、こじんまりと一生懸命やっているという印象で、まったく王者らしいオーラは感じられなかった。

まったく期待の持てるような内容ではなかったが、ちょっと楽しみだと思ったのは、途中出場したルーカス(パリサンジェルマン)だった。私がブラジルにいたころはサンパウロの若き期待の星であり、ネイマールの次はルーカスか、と騒がれていた。今話題になっているカゼミーロもサンパウロ出身だが、注目度としてはその比ではなかった。ルーカスも久しく聞かないなと思っていたが、この日久しぶりに見たルーカスは、とても積極的に動いており、停滞していたゲームに息吹を吹き込んでくれていた。出場時間が短かったが、もう少し見たいと思ったりもした。

さて、大会は始まったばかりである。

時差の関係で、なかなかタイムリーに見るのは難しいと思うが、ブラジルセレソンの戦いには注目していきたいと思う。