[皇后杯2015]初めての女子サッカー観戦。準決勝2試合は、いずれも素晴らしい試合だった!

12月23日の天皇誕生日女子サッカーの試合を初めて生観戦してきた。

今回は、何といっても日本の女子サッカー界のレジェンド、澤のプレーを観ることが目的だったが、それ以外にも、いろいろと楽しいサッカー観戦となった。

準決勝の2試合が、同じ会場で行われる。

ちょっと出かけるのが遅くなり、スタンドの席に着いたときには1試合目の前半6分になっていた。

さて、1試合目は、何といっても澤のいるINAC神戸だが、あまりの豪華メンバーに卒倒しそうな感じだった。

澤を筆頭に川澄、大野、近賀に鮫島、まさにオールスターだ。

これは、ブラジルに住んでいた時に、初めてブラジル代表戦を観に行ったときの感覚に近い。2007年だったが、私はサンチスタということもあり、ホビーニョが大好きで、その時ホビーニョのプレーを生で観れたことも嬉しかったが、それ以上にホナウジーニョが同じ空間でプレーしていることに感動したものだった。

それに近い感覚を受けた。

そんなスター軍団の中で最も目を引いたのが、澤とボランチでコンビを組んでいた22番の選手だった。とても小柄だが、すごく走り回る。相当に守備範囲が広く、それが相当に効いていた。伊藤美紀という選手なのだが、素晴らしいと思った。まだ若いが、このメンバーの中でレギュラーを張っているのだから、実力も相当なものなのだろう。とても楽しみな選手だと思った。

それにしてもINACの完成度は相当のものだと思った。

以前から、女子サッカーは、けっこうボールをキープできず、少年サッカーに近いものがあると思っていたが、ほとんどミスなくつながっていた。

危なげなく、2-0でベガルタ仙台レディースを下した。

2試合目まで、インターバルが1時間ほどあった。

コンビニで買ったおにぎりなど食べたりしていたのだが、そんな中、INACの高瀬が私の座っていたバックスタンド側までやってきたのだ。何事かと思ったら友達がいたようで、いろいろと話したりしていた。周りは騒然とし観客たちはサインをもらったりしていた。

私は特にサインはもらわなかったが、「頑張ってください!」と言ったら、うなずいてくれた。かっこよかった。

さて、そんなことをしているうちに2試合目の選手たちがウォーミングアップのためにピッチに出てきた。

2試合目は日テレベレーザアルビレックス新潟レディースの対戦だった。

日テレもINACに引けを取らないほどスター揃いだが、ボンバーヘッドの荒川がいることに驚いた。

まだやっていて、それも日テレで、何だか嬉しく思った。

まさか試合に出ることはないだろうと思い、アップ中の荒川の姿をいくつも写真に撮ったりしていた。

荒川といえば、2008年の北京オリンピックを思い出す。

私は当時、ブラジルのサルヴァドールに住んでおり、たまたま病院で検査を受けていたときに女子サッカーの日本戦をやっていた。この試合、相手がブラジルだったかどうかは覚えていないが、私は待合室で放映されていて熱中して見ていた。そんな中、途中交代であのボンバーヘッドの荒川が出てきたのだ。このとき、私は妙に恥ずかしい気持ちになってしまったのを思い出す。ブラジル人たちが私に向かって、「なんだあの頭は!」とか言われるのではないかと何となくハラハラしていたような気がする。日本人などは私一人だったし、ブラジル人は平気で話しかけてくるので、いつそんなことを言われるのかと、思ったりしたが、それは取りこし苦労に終わり、事なきを得た。

それだけ、あのボンバーヘッドは強烈だった。

そんなボンバーヘッドが今、目の前にいるのだ。何だか相当に嬉しくなった。

そんな荒川は、何と途中出場を果たしたのだった。特に悪いとは思わなかったが、途中出場にも関わらず、途中で交代させられていた。

さて、そんな第2試合だが、新潟にはひいきの上尾野辺がいるのだが、日テレのほうが圧倒的にスター選手が多く強いと思っていたし、いい試合が観られればどちらが勝ってもいいというという思いで、観はじめた。しかし、試合が進むにしたがって、徐々に新潟に肩入れして観るようになっていった。

新潟のキャプテンで10番の上尾野辺は同郷(横浜市瀬谷区出身)ということで、2年ほど前にTV観戦で初めて見て以来応援している選手だ。最近は、なでしこでもレギュラーではなく、選ばれたり選ばれなかったりだが、この日、上尾野辺のプレーを観られることはとても楽しみにしていた。

新潟は、完全に上尾野辺のチームだった。基本ポジションは、左のウイングのようだが、サントス時代のネイマールのように、チームから特別に自由なポジションを与えられているように、相当にポジションチェンジを繰り返していた。

そんな中、前半11分、上尾野辺のフリーキックから新潟にゴールが決まった。

常にプレースキックは上尾野辺が任されており、素晴らしい球を蹴っていた。

試合は、日テレがどちらかというと攻めてはいたのだが、なでしこの常連の阪口も岩清水も有吉もそれほどすごいとは思わなかった。

それよりも、新潟の一致団結した守備を主体とした攻撃のほうに心動かされた。

上尾野辺も相当にハードワークでスライディングなどもしていた。

前半のうちに追いつかれたが、その後、両者決め手に欠き、結局、1-1のまま延長に入るも決着がつかず、勝負はPK戦で決めることになった。

上尾野辺は外したが、GKの大活躍もあり、新潟がPK戦を決めたのだった。

初めてスタジアムで生観戦した女子サッカーは、2試合とも素晴らしい試合を観ることができた。

決勝は、INAC神戸とアルビレックス新潟レディースのこれ以上ない組み合わせとなった。

澤が有終の美を飾るのか、それとも上尾野辺が初の優勝カップを掲げるのか、今からとても楽しみである。