ブラジル見聞録その2 開幕戦 ブラジル対クロアチア 何とかブラジルが初戦をものにした試合は機内で見ることができた!

5月12日(木)、ついにブラジルW杯が始まった。

開幕戦は、開催国ブラジルとクロアチアの試合だった。

開幕戦は、ブラジル現地の時間で17時試合開始だ。この時間、私はブラジルへ向かう途中で、経由地のフランクフルトにいた。

フランクフルトの時間で、開幕戦の開始時刻が22時。私の利用する飛行機が21:55発だったので、ちょうど機内で過ごすことになるので見れないものだとあきらめていた。

フランクフルトといえばドイツ。ドイツといえばビールだ。

ということで、フランクフルトの空港で、ビールを飲みながら、TVでW杯開幕戦の開始前のアトラクションを見たりしていた。

そして、機内に乗り込んでからは、眠くてどうしようもなかったので、すぐにうたたねをしていた。

そんな中隣にすわっていた長男に起こされ、機内で開幕戦の生放送を見ることができることを教えてくれたのだった。

もう試合は始まっており、数多くの人がこの生放送を見ていた。しかし、私のも長男のも座席に備え付けられている液晶テレビの反応がとても悪く、なかなかチャンネルが切り替わらなかった。

気づいたときには、なんとブラジルが0-1で負けていた。そして必死になってチャンネルを見れるように試みていたときに、ブラジルにゴールが決まり、機内がどよめいた。

他の座席の液晶テレビを見たら、ネイマールミドルシュートを決めていたのだ。さすがネイマールだ。大事なところで決めてくれる。このW杯でのブラジルのファーストゴールがネイマールになった。本当に持っているな、と思う。地元開催で、ブラジルは優勝候補の筆頭に挙げられ、そのエースとしてネイマールはさんざん騒がれていた。相当なプレッシャーがあっただろう。そんなプレッシャーを物ともせず、見事に先制ゴールを決めてくれたのだ。

私の液晶テレビでは依然として映っていなかったが私も喜んだ。

その後程なくして、やっと私のも長男のも映ってくれるようになり、見ることができるようになったのだ。前半の残り10分ぐらいからだろう。

1-1になり、やっと落ち着くことができたが、思った以上にクロアチアに攻め込まれている印象を受けた。

前半はそのまま1-1で終わった。

前半の数字が出たが、ボール支配率はブラジルの65%で、シュート数も10-3で圧倒的にブラジルが多かった。

相手の先制点は、オウンゴールだった。マルセロがゴール前でクリアしようと思ったボールがゴールの中に入ってしまったのだ。

それにしても、前半のうちに追いつくことができたことはとても大きい。

後半、ブラジルに思いがけないチャンスが訪れた。なんとPKが与えられたのだ。微妙な判定ではあったが、主審の西村さんの対応は堂々としたものだった。ここでも、クロアチアの選手たちが詰め寄る中、毅然とした態度でイエローカードを出した。

キッカーは当然ネイマールだ。

ネイマールのPKシーンは山のように見ている。サントスでデビューしたての頃は本当によく外していたが、一時を境に、安定して決めるようになった。

だからこの時も絶対決める、決めてくれると思った。

ボールはGKに反応され、GKの手に当たったが、弾かれたボールはそのままゴールネットを揺らした。

ゴールが決まったのだ。機内がまた沸いた。私は、手を叩いて喜んだ。

その後も試合は、ブラジル優勢で進むが、クロアチアも悪くはなく、時折危ないシーンもいくつか見受けられた。

そして、残り5分になった時点でネイマールが交代でベンチに帰ったのだが、この時の観客からの拍手はすごいものだった。

その後、ロスタイムに入ったところで、オスカールがダメ押しゴールを決めてくれ、3-1でブラジルが勝ったのだった。

まずは、何はともあれ、ブラジルが勝つことができて本当によかったと思った。

さて、その後、試合終了の2時間ほど後に、機内のAVサービスの同じチャンネルで再放送をしてくれた。かなり眠かったが、眠い目をこすりながら見ることにした。

まずは、選手入場だ。

主審の西村さんら日本の審判団を先頭に、ブラジル、クロアチアの先発選手たちが列になってピッチに入場してきた。

ネイマールはいつもと同様、一番最後だ。

サッカー選手はこのW杯のピッチに立つことを最大の目標にしてサッカーをやっているのだろう。ネイマールも例外ではないだろう。ネイマールにとって初めてのW杯の試合である。ネイマールの表情を見て、感極まるものを感じて涙が流れそうになった。

私自身、セレソンの試合を見るのは久しぶりだ。

国家斉唱では、伴奏が流れるのは1番だけだが、2番は、選手と観客が一体となって伴奏なしで歌われた。これはセレソンではよくあることだが、改めて見ると感動する。

録画再放送とはいえ、この試合のすべてを見ることができることはとてもうれしい。

前半は、圧倒的にブラジルが押していたことがよくわかった。

しかし、前半11分にクロアチアの左サイドから低いクロスがゴール前まで通ってしまい、ゴール前にいたマルセロがクリアした球は見事にゴールに入ってしまったのだ。まあ、仕方がないだろう。

その後もブラジルのほうが押していたがなかなかゴールが決まらない。そんな中、素早い攻撃から、ネイマールのゴールが決まった。この辺からは生中継で見ている。

前半は、ブラジルがよかったと思う。

しかし後半は、クロアチアのほうがよく攻めていたのではないか。

そんな中、疑惑のPKである。

西村さんの毅然とした態度はいいのだが、VTRで見ればわかるが、これは誤審だろう。

この試合、再放送で気づいたのだが、カードを出しすぎではないだろうか?

ネイマールにも前半早い段階でイエローカードが出されていた。

W杯でのカードは、本当に致命傷になってくる。前回南アフリカ大会では2枚のイエローカードで次節出場停止になったので本当に痛いと思った。

前回は時間稼ぎで無駄に多く出されていたように記憶している。また、主審によって判定がまちまちになるので運不運が生じる。

この日の西村さんのレフェリングはどうだったのだろうか?

まあ、とにかく相当なプレッシャーの中、ブラジルは初戦を勝つことができた。それも、エースと注目されるネイマールが2ゴール奪っての勝利である。これは大きいだろう。

さて、そんな開幕戦だったが、途中からとはいえ、思いがけずTV観戦することができたことはとてもうれしく思う。

試合内容も大事だが、何よりも結果だ。短期決戦では、一つの結果が救世主にも命取りにもなる。本当に怖い。だから、この結果には何はともあれ喜びたいと思う。

なお、この試合、ブラジルの先発は、予想通りの11人だった。

交代枠は3人、きっちり使った。パウリーニョに代わりエルナーネスが、フッキに代わりベルナルジが、そして最後ネイマールに代わりハミーレス(ラミレス)が途中交代で出場した。

この試合を皮切りに祭りは始まったのだ。

この祭りがこれから1か月間続くと思うとわくわくしてくる。

素晴らしい祭りを十分に体感していきたいと思う。