[プレミアリーグ2012‐13]第26節サウサンプトン対マンチェスター・シティー まさにスカッとするようなジャイアントキリングだった!

昨晩土曜日の深夜、プレミアリーグの試合をTV観戦した。これは、3週連続になるのだが、今回はNHK-BSではなく、J-Sportsというチャンネルで見た。

これは、当初は過去2週と同様、NHK-BSのチェルシー対ウィガン戦を見ようと思い、深夜1時から見始めたのだが、不覚にもウトウトしてしまい、ろくに見ることができなかった。前半終了間際に目が覚めた時点で1-0でチェルシーが勝っており、そのまま前半が終了したのだが、このハーフタイム期間にネットのヤフー・ジャパンを見たら、4-1でチェルシー勝利で試合終了となっていた。てっきり生放送だと思っていたので、急に興ざめしてしまった。もうこの試合を見るのはやめようと思い、夜中だったが、入浴することにした。そして風呂から出て、J-Sportsチャンネルが今無料で見れる期間であることに、ちょうどこの日知人から教えてもらったので、J-Sportsチャンネルをつけたら、同じくプレミアリーグマンチェスター・シティーの試合がちょうど始まったところだった。画面には大きく「LIVE」と書いてあったので、これは生放送だった。ちょうど風呂から出て目が覚めたところだし、ちょうどよいと思い、これを見ることにしたのだった。

相手は、サウサンプトンだった。ということは吉田麻也のチームだ。ウィガンの宮市亮は出ていなかったが、ちゃんと吉田麻也は出ていた。

さて、見始めたときは、何も考えず、シティーが楽勝で勝つのだろう、まあそんな試合を見届けてやろうか、吉田麻也の動きも、長男がCBをやっているので参考に見てみよう、ぐらいの気持ちだった。

しかし、試合を見ていくうちにそんな考えが変わってきた。予想に反して、サウサンプトンの動きがいいのである。

私は、サウサンプトンというチーム、そして吉田麻也には、それほど興味を持っていなかった。このチームについては、李忠成も所属しているが、プレミアリーグでも降格争いをするような下位のチームというイメージしかなかったし、吉田麻也については、日本代表、そしてロンドンオリンピック代表キャプテンとして相当頑張っていたことは印象深いが、だからといってそれ以上に興味を抱いていたわけではなかった。

だから、この試合を見ることを急遽決めたのだが、サウサンプトン吉田麻也を見るというよりは、シティーの試合を見ようという感じだった。

そんな試合だったが、いきなり動いた。

前半6分数十秒に、なんとサウサンプトンにゴールが決まったのだ。シティーが中盤でボールを奪われ、中央にクロスを流し、打ったシュートはGKに弾かれたが、そのこぼれ球を見事にゴールに入れたのだ。

これは、けっこう衝撃だった。これはおもしろくなったと思った。

これで、シティーのおしりに火がつくかな、と思ったが、全然そんなことはなく、反対にサウサンプトンに勢いが出てきた。

初めてまともに見るサウサンプトンは、驚いたことに、これがなかなか動きがいいのである。ホームということではあるが、シティーはメンバー的に見ても、一枚も二枚も上のチームである。しかし、チームの勢いは、完全にサウサンプトンに分があった。

そんな試合は、見ているほうにも影響を与える。はつらつとプレーする選手たちを見ているうちに、私の心も完全にサウサンプトンを応援するようになっていった。

そんな中、前半22分に、またも驚くことにサウサンプトンにゴールが決まったのだ。というか決まってしまったといったほうがふさわしいだろう。

今度は、GKハートのミスだった。正面から飛んできたボールをハンブルし、股の間に落としたボールをサウサンプトンの選手が滑り込んでゴールを決めたのだった。

あっという間に、格下のサウサンプトンが2点ものリードを奪ったのだ。

その後も、サウサンプトンのペースだった。あれだけのメンバーを揃えたシティーだが、いつもの破壊力は感じられない。

しかし、前半も終了間際の39分に一瞬の隙を突かれ、カウンターからジェコに決められ、シティーが1点差に迫ってきた。

これでわからなくなったなぁ、と思わざるを得なかった。

そのまま、サウサンプトンが2-1でリードして、前半を終えた。

後半、シティーの猛攻が予想されたが、いきなり、またも驚くようなことが起こった。後半開始早々の3分、何と、今度は、オウンゴールサウサンプトンに追加点が入ったのだ。

ゴール前にいたバリーが、きれいに合わせて、味方のゴールにボールを入れてしまったのだ。

これには、TVの実況も大騒ぎしていた。

TVの実況についてだが、今まで見ていたNHK-BSと今回見たJ-Sportsチャンネルではまた全然違う感じがしてとてもおもしろいと思った。

このJ-Sportsチャンネルの実況は、倉敷保雄さんだった。この人の実況は初めて聞いたが、けっこうはっきりとものを言っている感じで、おもしろいと思った。この人の名前は聞いたことがあるので、サッカー実況者としてはけっこう有名な人なのだろう。解説は、渡辺一平となっていた。この人は、確かJリーグ創生期に確か横浜フリューゲルスで活躍した選手だったのではないかな。なんだか、この実況と解説のコンビネーションは新鮮に映った。

さて、これでシティーはかなり苦しくなっただろう。なにしろ、これから反撃開始というときに、反対に相手に得点を献上してしまったのだから・・・。

監督のロベルト・マンチーニの焦りようはすごかった。とにかく、この日のシティーは、不思議なほどにリズムが悪すぎた。

後半まだ40分以上もあるのに、この日のシティーにはまったくゴールの予感は感じられなかった。

攻撃の起点になっていたダヴィド・シルヴァを交代させたときには、マンチーニは一体何を考えているのかと思った。そのダヴィド・シルヴァに代わって出てきたのが、何とあのインテルにいたマイコンだった。それなりにボールを持つシーンはあったが、ほとんど見せ場らしいものは作れていなかった。

さて、一方のサウサンプトンは、さすがに守勢に回ることも多くなったが、まったく集中力を切らすことなく、きっちり守り抜いた。吉田麻也もよかった。ジェコに徹底マークをついていたが、勝つ場面が多く見られた。

CBもこれくらい大物を押さえられると楽しいだろう。すごく存在感が感じられた。これだけリードを奪っても、防戦一方になることはなく、全員攻撃全員守備という感じで、見ていても気持ちのよいサッカーをしていた。

ロスタイム5分もしのぎ切り、サウサンプトンが3-1で見事に勝利を飾ったのだった。

ボールポゼッション50対50、シュート数に至ってはサウサンプトンの13対7と圧倒した試合だった。

サウサンプトンの試合は初めてまともに見たが、強豪チーム相手に心躍るサッカーを見せてくれていた。先週のフラムもそうだったが、このチームはなかなかいいなぁ、と思ったのだった。

予想外の展開だったが、素晴らしい試合を見ることができたと思ったのだった。