第34節(最終節)横浜マリノス対サガン鳥栖 素晴らしい最終戦を魅せてもらった!

12月1日(土)、J1最終節が全試合同時刻で行われた。この日、私は、長男と一緒に日産スタジアム横浜マリノスの試合を観に行ってきた。

たまたま、この日の午後、長男のサッカーチームの練習がなくなったため、観に行くことに決めたのだが、マリノスに、アジアチャンピオンズリーグACL)出場権の3位に入る可能性が残されていることを知ったのは、前日にサッカー新聞エルゴラッソを買ってからだった。

それまで、特に注目していなかったのだが、驚くことに、対戦相手のサガン鳥栖がなんと3位につけており、勝てば文句なくACLへの出場権が決まることになっていた。サガン鳥栖には悪いが、今年初めてJ1に昇格し、残留争いするのが関の山だと思っていただけに、この順位には驚かされた。

さらに、4位の柏、5位の浦和、6位の名古屋、そして7位の横浜にまで、3位に入るチャンスが残されていたのだった。

それも、柏を除く4チームは直接対決が行われるのである。

これは、観る前から楽しみになってきた。

この日午前中から忙しかった。

長男が所属している少年サッカーチームが、地元の大会で決勝まで残り、その決勝戦が午前10:50からニッパツスタジアム(三ツ沢球戯場)で行われたのだ。長男は、シーズン途中から加入したせいもあり、1軍メンバーには入っておらず、応援要員なのだが、どうしても行きたいということで、妻が現地まで連れて行った。私は、こんな日に限って、長男の学校の美化活動とやらの日に当たり、学校の掃除に行かなければならなかった。しかし、それが思いのほか早く終わり、車を飛ばし、私自身もニッパツスタジアムへ駆けつけたのだった。

着いたときには、すでに試合は始まっていたが、前半の終了間際だった。長男のチームは2-1で勝っていた。そのまま前半を終え、後半(20分ハーフ)に突入した。10分ごろに相手にゴールが決まってしまい、5分ハーフの延長でも決着がつかず、PK戦に突入した。

結局、PK戦で、長男のチームは優勝することができたのだ。

そんな感動を午前中に味わい、そのまま、新横浜にある日産スタジアムへ向かったのだった。

この日のキックオフは、午後3時30分。横浜駅近くでランチを食べたりしていたら、けっこう遅くなってしまった。結局、新横浜駅に着いたのが、2時55分ごろ。少し早歩きで、スタジアムに着いたのが、3時10分ごろだ。チケットは事前に買っていなかったので、当日券を買わなければならないのだが、長蛇の列だった。チケットについても、通常なら前もって用意しておくが、「雨の日チケット」とやらいう当日券の割引券があったので、当日買うことにしていたのだ。しかし、ラッキーにも「雨の日チケット」専用レーンができ、かなり早くチケットを買うことができた。この時点でキックオフ10分前である。

大急ぎでスタンドに入ったが、1階席はほぼ満席だ。仕方なく2階席へ回った。比較的中央のいい位置に2席あいていたので、そこに座らせてもらうことにした。

これでやっと落ち着いて試合が観れることになった。ほっとした瞬間だった。

この日は、最終節ということもあったのかもしれないが、いろいろなセレモニーが行われた。中澤選手のJ1通算400試合出場のセレモニーが試合前に行われた。

さて、この日のマリノスは、FWマルキーニョスが出ていなかったが、その他はほぼベストメンバーだろう。だいたいいつもの顔ぶれだと思う。

私も、なんだかんだいって、今シーズンマリノスの試合を観るのは4試合目になる。だいたいメンバーはわかってきていた。

試合は、終始完全にマリノスペースだった。本当に、マリノスはいい攻撃ができていた。何度も惜しいシュートはあったが、相手GKの超ファインプレーなどで、ゴールだけを決めることができなかった。一番惜しい場面は、前半40分ごろの齋藤学のドリブル突破だった。齋藤学が一人で持ち込み、ペナルティーエリアまで入っていった。絶対決めろ!と思ったその瞬間、相手GKとぶつかり倒されたのだ。主審は、PKの判定を下した。周りの観客は大喜びだ。しかし、副審の一人が主審を呼び、その結果、驚くことにPKは取り消されたのだった。誰がどう見てもPKだと思ったのだが・・・。

前半は、そのまま0-0で終わった。

ハーフタイムには他会場が気になる。ブラジルでは、他会場にゴールが決まるたびに、それがアナウンスで流れ、観客がドッと沸くのだが、日本ではそのような習慣はないらしい。たまたま、前に座っていた人が、スマートフォンでチェックしていたのを長男が盗み見した。柏は負けていたが、浦和は1-0でリードしていた。マリノスが3位に入るためには、浦和対名古屋が引き分けてもらわないといけないのだ。降格争いでは、ガンバ、セレッソが負けていた。

さて、後半も試合展開は変わらなかった。しかし、油断は禁物である。サガン鳥栖の試合は今まで見たことがなかったが、ここまでこれだけ勝ち点を積み上げてきたということは、カウンターを相当に得意としているのだろう。佐藤寿人に次ぐ得点ランキング2位入る豊田というストライカーもいる。マリノスがこれだけチャンスを生かせなければ、いつ得意のカウンターで決められてしまうか、そうなれば相手の思う壷だろう。

しかし、後半8分、マリノス歓喜の瞬間が訪れた。絶好の位置で得たFKを中村俊輔が直接決めたのだ。

さすが俊輔だ。前回、29節の対磐田戦でも中村俊輔はすごいと思ったが、この日もいい動きをしていたし、直接FKも決めたし、まだまだ俊輔健在だと思った。中村俊輔のFKでのゴールを観れて、改めてうれしく思ったのだった。

結局、そのまま1-0でマリノスが勝利した。

スコアこそ1-0だったが、ほとんど鳥栖にはチャンスを作らせることなく、マリノスの完勝といってもいいだろう。

今季横浜マリノスの試合を4試合観たことになる。

最初に観た7月の対セレッソ戦では、パスを多用するサッカーに見応えを感じたのと、縦横無尽に動きまわっていた齋藤学に少しネイマールを彷彿させた。

この日の最終節の試合では、パスも多用しているが、個人技も随所に見せてくれていた。中村俊輔の精度の高いFKと齋藤学のドリブル突破以外にも、10番の小野裕二、7番の兵藤信剛のちょっとした動きにうまさを感じた。

この日の試合を観て、これならお金を払って観る価値は十分にあると思った。

たまたま地元にあるJ1のチームが横浜マリノスだったので、マリノスの試合を観に来ているのだが、なかなかいいチームだと思う。少なくとも、見応えのある試合をするチームだと思う。

結局、浦和が名古屋に勝ち、浦和が3位に入り、ACL出場権を得た。横浜は惜しくも4位。あと一歩足りなかった。

降格は、既に決まっている札幌に加え、ガンバ大阪ヴィッセル神戸に決まった。

最後に、球団社長、監督のスピーチがあり、選手たちが場内を一周してサポーターたちに挨拶して回った。

この結果には、誰も文句は言わないだろう。

さて、今季残すは天皇杯である。既に16チームに絞られている。

天皇杯の戦いも楽しみである。