決勝トーナメント1回戦第2戦サントス対ボリヴァル サントスは8-0のゴレアードでベスト8進出を決めた!
5月10日木曜日、夜7時30分からこの試合が行われた。
木曜日は、長男が近くのクラブでフットサル、そしてサッカーをやっている日だ。フットサルが夕方5時30分から6時30分、そしてサッカーは6時30分から7時20分だ。
いつも私が付き合うわけではないが、この日は両方とも私が連れて行った。この日、フットサル教室が行われる学校に着いたのが5時半ちょっと前だったが、昼間大雨だったせいかまだ先生は着いておらず、子どもたちが数人、学校のロビーで待っていた。
久しぶりに、フットサルのクラスを一部始終見学し、そのまま6時半にサッカー教室の行われるクラブへ急いだ。車でも歩いても1分ぐらいだ。
このスクールはとにかく試合、試合なのだが、昼間大雨だったせいか、ここでも来ている生徒は少なく、いつも4チーム編成するところがこの日は2チームの編成だった。そのため、ほとんど休憩時間がなく、試合を続けていた。長男はまずまずの活躍ぶりだった。
いつもクラス終了後、長男は友人たちとフリーキックの練習などしたりしているが、この日はクラスが終了し次第、大急ぎで帰った。
7時25分頃に帰宅でき、大急ぎでTVをつけた。試合はまだ始まっておらず、TVの画面では、先発メンバーの紹介などがされていた。
この日の試合は、本当に大事な試合だと思っていた。
サントスは、創立100周年の今年、数々のタイトルに臨むわけだが、もっとも重要な位置づけにあるのは、間違えなくリベルタドーレスだ。昨年のクラブW杯での屈辱を晴らすには、リベルタドーレスのタイトルを獲りクラブW杯に出てヨーロッパのクラブを破るしかないのだ。今年は、それができるだけの十分な戦力を備えており、それは単なる夢ではなく、現実的に可能性は十分あるのだ。
そんな重要なリベルタドーレスのベスト8をかけた戦いなのだが、何と第1戦でサントスは負けているのだ。
私は、今年のサントスは本当に強いと思っている。それは、4月15日に生で観て、肌で感じたところだ。
その4月15日の試合から、つまり4月14日に創立100周年を向かえユニフォームがアンブロ(ウンブロ)からナイキに替わってから、サントスは思いっきりその強さを見せつけてきたのだった。
戦績は以下の通りである。(スコアは左側(最初)がサントス)
4月15日 対カタンドゥヴェンセ(サンパウロ州選手権最終節・ホーム)5-0
4月19日 対ザ・ストロンゲスト(リベルタドーレスグループリーグ最終戦・ホーム) 2-0
4月22日 対モジミリン(サンパウロ州選手権準々決勝・ホーム) 2-0
4月25日 対ボリヴァル(リベルタドーレス決勝トーナメント1回戦第1戦・アウェイ) 1-2
4月29日 対サンパウロ(サンパウロ州選手権準決勝・アウェイ)3-1
5月6日 対グアラニ(サンパウロ州選手権決勝第1戦・アウェイ) 3-0
1試合を除き、全て2点差以上の快勝である。しかし、この唯一負けた試合が、重要なリベルタドーレスの決勝トーナメントの初戦なのである。
私が熱狂的なサンチスタだと知っている私の回りのブラジル人たちは、私に向かって、「今年サントスは全部のタイトルを獲るんじゃないの?」とリップサービスも含めて、私に言ってきたりする。「サントスを倒すには、ネイマールをいなくさせなければ無理だ!」などと言ってる人もいる。それだけ今年のサントスは、傍目にも相当に強いと思われている。
私は、当然全てのタイトルを獲ってほしいと思っているし、今年に限っては、その可能性は十分にあると思っている。しかし、その中でも一番獲ってほしいと思うのは、何といっても、リベルタドーレスなのだ。
だから、この日のこの試合は、相当に力が入っていた。単に見るだけなのに力が入るとは変な感じだが、まさにそういう感じなのだ。
この日のサントスの先発メンバーは以下のとおりである。
GK:ハファエロ Rafael(1)
CB:右エドゥー・ドゥラセーナ Edu Doracena(2)
左ドゥリヴァウ Durval(6)
SB:右エンヒーキ Henrique(7)
左フアン Juan(16)
アロウカ Arouca(5)
MF:右エラーノ Elano(8)
左ガンソ Ganso(10)
FW:右アラン・カルデッキ Alan Kardec(19)
左ネイマール Neymar(11)
いつもと同様にベストメンバーである。
緊張した面持ちで見始めてすぐの前半5分、いきなりスコアが動いた。エラーノがきれいにミドルシュートを決めたのだ。
あまりに早いゴールに私自身少し戸惑ったが、これで五分に戻せたと思うと嬉しく思った。
しかし、このゴールを誰よりも喜んだのは何といってもエラーノ自身だろう。去年は絶対的なレギュラーでセレソンにも選ばれていたが、今年はイブソンとのレギュラー争いに敗れしばらくは控えに回されていた。しかし、私が観に行った4月15日の試合でレギュラーに復帰して以来毎試合先発出場を果たしいい動きを見せていたのだ。しかし、ゴールだけは奪えないでいたのだった。それが、この重要な試合での重要な先制ゴールを決めたのだ。ゴールした後、自分の娘の名前が書かれたすね当てを取って喜びを表していた。
そして、その後、前半20分、エドゥー・ドゥラセーナがペナルティーエリアで倒され、サントスにPKが与えられたのだ。
これをネイマールが落ち着いて決めた。
去年までのネイマールは、PKをよく外していたが、今年は本当によく決めている。本当に乗りに乗りまくっているので、見ていても外す感じはまったくしない。
この日も、きちんと決めてくれた。
いきなり、2-0になったのだ。
その後もサントスのゴールショー続いた。
前半27分には、ガンソがヒールキックでゴール。
直後の前半29分には、アラン・カルデッキが一人でドリブルしてゴール。
そして、前半36分には、ゴール前でパスを受けたネイマールが放ったボールは相手DFにぶつかりそのままゴールの中へ。
前半だけで、あれよあれよという間に5-0になってしまったのだ。
見ていても、本当に出来すぎな気がした。放つシュートがことごとくゴールに入ってしまう感じだった。
後半もエンジン全開だった。
いきなり後半5分、前半同様またもエラーノが決めたのだ。ネイマールから受けたパスを、DFを一人交わし、きれいに決めたのだ。
その直後の後半7分、今度はガンソが直接フリーキックを決める。
そして、勢いは止まらず、後半15分に、アラン・カルデッキに代わったボルジェスが決め、8点目が入ったのだ。
後半15分で既に8-0になったのだ。これは、10-0も夢ではないと思ったが、その後もサントスは攻め続けるが、結局ゴールはならなかった。しかし、まったく危なげない戦いぶりだった。
結局、8-0のゴレアード(大量得点での勝利)だった。
歴史的な大勝利をリアルタイムで一部始終見ることができたことをとても嬉しく思った。
サントスのゴレアードといえば、2010年のコッパドブラジルでの10-0の試合が思い出される。このときのサントスはとにかく超攻撃的で、ゴールもされるがそれ以上にゴールをする、といった戦いぶりだったのだ。
今回のゴレアードは、そのときとはおもむきが違うだろう。
まずは、南米の強豪が集うリベルタドーレスである。それも、グループリーグではなく決勝トーナメントでである。
リベルタドーレスでも、グループリーグでは5-0などのスコアを見たりするが、決勝トーナメントではちょっと記憶にない。
第1戦で同じ相手に負けたことが嘘のような感じだ。見ていても、まったく危なげがなかった。やはり、3800mという高度が響いたのだろう。私は一度、ペルーのクスコとチチカカ湖に行ったことがあるが、クスコで3400m、チチカカ湖で3800mだったと記憶している。そのときは、普通にいただけで息苦しさを感じたし、高山病の症状が出ないように相当摂生した覚えがある。それが、そんな中で超ハードな運動であるサッカーをしなければならないのだから、想像しただけで気が遠くなりそうだ。
ゴレアードといえば、この日の別のカードでも6-0というスコアの試合が生まれたのだ。チリのウニヴェルシダッジというチームがエクアドルのデポルティーヴォ・キトというチームに6-0で勝ったのだ。
一体、今年のリベルタドーレスは、どうなっているのだろうか?
これで、サントスは無事に、次のステージに進むことができた。
ベスト8進出の8チームは、ブラジルから4チーム、アルゼンチンが2チーム、そして、チリとパラグアイが1チームずつである。
対戦カードは、以下のとおりである。
サントス(ブラジル)対ヴェレス(アルゼンチン)
コリンチャンス(ブラジル)対ヴァスコ(ブラジル)
フルミネンセ(ブラジル)対ボカ・ジュニオールス(アルゼンチン)
何といっても注目は、コリンチャンス対ヴァスコのブラジル同士の対戦だろう。この時点で、ブラジル同士で潰し合うのはなんとももったいないが仕方がない。
ほかには、グループリーグでも同組だったグループリーグ1位通過のフルミネンセと超名門クラブ、ボカ・ジュニオールスとの対戦も楽しみである。
さて、我がサントスは、アルゼンチンのヴェレスと対戦する。私は、このチームのことはよく知らないが、去年末だか今年初めごろの世界クラブランキングで、世界のバルサ、レアルに次いで、世界3位になっていたほどのチームである。(因みにサントスは6位とのことだった。)
厳しい戦いになるだろうが、今のサントスならやってくれるだろう。
まだまだ、サントスの、雪辱を晴らすための戦いは続くのである。