準決勝サンパウロ対サントス 久々に白熱したガチンコ勝負を見た。ネイマールが魅せまくってくれた!

日曜日、4月29日、サンパウロ州選手権の準決勝2試合が行われた。

2試合は、いずれもクラシコとなった。1つがサンパウロ対サントス、もう1つがグアラニポンチプレッタカンピーナス・ダービーである。

注目は、何といっても、サンパウロ対サントスの試合だろう。

ネイマール、ガンソ、そしてエラーノなど新旧セレソンメンバーを揃えたサントスと、ルーカス、ルイス・ファビアーノ(この日は出場しなかった)、カゼミーロ、そして今季から加入したジャジソンなどこちらもタレント揃いのサンパウロの対戦なのである。

私が、ブラジルに来たばかりの2005年からしばらくは、それはサンパウロの天下といってもいいほどサンパウロは強かった。しばらくは、サントスがサンパウロに勝つことなど夢の夢といった感じだった。

それが、2010年に突如サントスは強くなり、それ以来そのほとんどの勝負でサントスが勝つように力量関係が様変わりしたのだった。

しかし、1ヶ月前に行われた今季のサンパウロ州選手権のリーグ戦では、接戦の末、サントスが2-3で負けているのだ。

サンパウロ州選手権のタイトルをかけて、この準決勝の試合が間違いなく天王山だ。本当に大事な一戦だった。

開始10分前ほどにTVをつけた。サンパウロの選手たちはピッチ上に出ていたが、サントスの選手は出ていなかった。

かなり時間が経ち、サントスの選手たちがピッチに出てきた。サントスの選手たちは、水色がきれいなサードユニフォームを着ていた。これにはちょっと驚いた。今まで滅多にサードユニフォームなど使っていなかったからだ。しかし、今季、100周年を迎えた4月14日を境に、ユニフォームがウンブロ(日本ではアンブロと呼ばれているのだろう)からナイキに変わり、黒白のセカンドユニフォームを見ていない。もしかしたら、この水色のユニフォームがアウェイ用のユニフォームになったのかもしれない。

そんな水色のユニフォームを纏った選手たちが颯爽と出てきたのだ。

この日の試合は、サンパウロのホーム、モルンビー・スタジアムで行われた。リーグ戦2位のサンパウロが3位のサントスより上位だったことによる。

試合はいきなり動いた。開始1分、ペナルティーエリア内でFWアラン・カルデッキが倒されたのだ。微妙な判定だったが、サントスにPKが与えられた。

これをネイマールがきっちり決めて、サントスが先制に成功したのだった。蹴った瞬間、ボールが上がったのでヒヤヒヤしたが、きちんと決めてくれたのだった。

これが、ネイマールにとってサントスであげる100ゴール目のメモリアルゴールであった。

しかし、その後サンパウロの猛攻が始まる。これでもかというぐらいに、サンパウロに一方的に攻め込まれていた。

そんな中、GKハファエロが相手選手と接触し、負傷してしまった。見た感じ、かなりのダメージを受けたようだったので、さすがに交代しなければならないだろうと思った。しかし、ハファエロはプレーを続行した。

本当に、この時間帯は耐えなければならなかった。

しかし、そんな中、ネイマールが個人技でゴールを決めたのだ。

ガンソから受けたボールをうまく体を使い相手DFを一人交わし素早くシュートした球は、相手GKの指先をかすめゴールに吸い込まれていったのだ。

前半32分のことだった。

このゴールは大きかった。劣勢を続けていたサントスだったが、2点リードすることとなった。

2点のアドヴァンテージは大きかったが、GKハファエロがいつどうなるかわからなかったので、けっこうヒヤヒヤしながら見ていた。

そのまま前半が終了してくれた。

前半は完全なサンパウロペースだったが、後半はかなり互角な戦いに思えた。

サントスも何度か決定的なチャンスがあった。

そんな中、サントスにゴールが決まった、かに思えたが、オフサイドの判定でノーゴールになってしまった。しかし、VTRで見るとこれはオフサイドではなかったのだ。

そして、反対にサンパウロにゴールが決まってしまったのだ。しかし、これはVTRで見るとオフサイドだったのだ。

これで、2-1の1点差になってしまった。

しかし、その後またもネイマールが魅せてくれた。ネイマールが放った強烈なシュートを相手GKデニスが弾いたのだが、そのままゴールマウスの中へ入っていったのだ。これで、ネイマールハットトリックだ。

その後も手に汗握る熱戦だったが、サントスがそのままその白熱した試合を制したのだった。

それにしても、これだけの真剣勝負は久々に見た感じがした。

ブラジルのチームでも、サンパウロともなると超がつく名門チームだし、やはりいくらサントスといえども、簡単には勝たせてもらえない。見ていてもエネルギーを使う、素晴らしい試合を見ることができた。

これで、サントスは4年連続決勝進出である。

4年も連続で最後まで楽しみを続けられることは、本当に嬉しいことである。

もう一つの準決勝は、グアラニが勝ち、決勝の対戦相手はグアラニになった。

決勝は、ホームアンドアウェイで、次とその次の日曜日に行われる。

リベルタドーレスと併用でここまで週2回の試合を強いられていたサントスだが、次の試合まで1週間空く。これは、かなり助かるだろう。今回のサンパウロ戦で選手たちは相当に消耗しているはずだから、ここで1週間間隔があることは、本当によかったと思った。

今年初のタイトルまであと2試合である。

メモリアルイヤーでもあるし、あと2試合きちんと勝ち、タイトルを獲得してほしい。

そして、この勝利を機に、リベルタドーレスでも、新たな気持ちで臨み、勝ち進んでいくことを願うのである。