第19節サントス対カタンドゥヴェンセ 100周年記念試合はサントス祭りになった!

4月14日土曜日、サントスは創立100周年を迎えた。

この前夜から、TVのスポーツチャンネルESPNでサントスの本拠地Vila Belmiroでの様子が生中継されていた。

サントスの現役選手や、サントスファンの有名人などが、続々とVila Belmiroに終結されていた。ネイマールエラーノ、キャプテンのエドゥー・ドゥラセナなどがインタビューに答えたりしていた。

4月14日当日は、ナイキの新しいユニフォームに身を包んだ選手たちが、100人の子どもたちと試合を行ったり、サントス出身のマスターズの試合が行われたりでかなり盛り上がったようだ。

そんな100周年に沸いた翌日、4月15日日曜日にサンパウロ州選手権の最終節(第19節)がサントスのホームスタジアムで行われた。

たまたま、急遽仕事でサンパウロに行くことになり、この日、私は、サントスのホームスタジアムのVila Belmiroに行ってきたのだった。

試合開始2時間近く前の午後2時過ぎにスタジアムに着いた。

Vila Belmiroに行くのは、10回目ぐらいになる。試合を観るのは去年の10月以来だ。そのときは、次男と一緒に観に行き、グレミオ相手に0‐1でいいところなく負けたのだった。

さすがに100周年の翌日ということで、いつもとは雰囲気が違っていた。何とかチケットを手に入れ、周りの雰囲気を楽しんだ。100周年にまつわるグッズなどが路上で売っているのだ。もちろん非公式グッズだが、せっかく来たのだし、思わず買ってしまった。

記念ペナントのようなものが10レアル(約450円)、100周年記念Tシャツが25レアル(約1150円)、そしてサントスの旗(20レアル、約900円)まで買ってしまった。

そして、いつも寄るように、オフィシャルショップに行ったが、中はすごい混雑だった。大のサントスファンの私は行くたびに、何か買ってくるのだが、今回は何も買わなかった、というか買えなかった。

今回は、改装中のためかスペースが狭く、売っていたものは、新しく変わったナイキのユニフォームだけだった。

ホーム用の純白のものと、前日100周年イベントで使われたきれいな水色のサードユニフォームの2種類だった。この水色のユニフォームは色といい、襟付きの格好といい、とてもよかったので、本当は買いたかかったのだが・・・。あまりのレジの混雑振りあきらめたのだった。大人用しかなく、子供用は次の水曜日に発売とのことだった。子供用があれば大人用と一緒に買ったかもしれないが・・・。因みに値段は、199レアル(約9000円)だった。

満席とのことだったので、少し早く開始の約1時間前にスタンドに入った。

100周年記念試合ということで、試合前にも、大きなサントスの旗がグランドに敷かれたり、いろいろとセレモニーみたいなものが行われた。

そんなものを見ていたらあっという間に試合開始の時間になった。

この日のサントスのメンバーは、ベストメンバーだった。

ブラジルでは、ベストメンバー規定のようなものはないので、リベルタドーレス真っ只中の現在、サントスはサンパウロ州選手権の試合には、総控えのメンバーで戦うことも多い。そんな中、ネイマール、ガンソといった完全なるレギュラーメンバーでの試合が観れただけで嬉しく思った。

この日の先発メンバーは以下の通りだった。

GK:ハファエロ Rafael(1)

SB:右フチーリ Fucile(4)

  左フアン Juan(3)

CB:右エドゥー・ドゥラセーナ Edu Dracena(2)

  左ドゥリヴァウ Durval(6)

ボランチ:アロウカ Arouca(5)

     エンヒーキ Henrique(7)

MF:右エラーノ Elano(8)

  左ガンソ Ganso(10)

FW:右ボルジェス Borges(9)

  左ネイマール Neymar(11)

まさにベストメンバーである。最近ではイブソンの控えに回っていたエラーノだったが、久々に先発出場を果たしていた。

この試合、サンパウロ州選手権の最終節だった。

サンパウロ選手権では、20チームの総当りのリーグ戦を行い、その後上位8位による決勝トーナメントにより、優勝を決めるのである。

前節を終え、サントスは、勝ち点36の3位につけていた。

サントス以外の上位8チームは、1位がサンパウロ(勝ち点43)、2位がコリンチャンス(43)、4位グアラニー(36)、5位パウメイラス(35)、6位モジ・ミリン(34)、7位ブラガンチーノ(29)、8位ポンチ・プレッタ(28)だった。

サントスは、8位以内は確定していたので、無理にベストメンバーでくる必要もなかったのだが、やはり100周年の翌日ということで、ベストメンバーで臨んでくれたのだった。

私は、このブログでサントスについてしばらく書いていなかった。実に最後に記述した際から2ヶ月以上が経ってしまっていた。この間にサントスにも何らかの変化があった。

2ヶ月前の時点では、一切補強をしていなかったのだが、その後適切な補強ができたのだ。

最も弱点だと思っていた左右のサイドバックを一人ずつ補強したのだ。

右はフチーリ、左がフアンである。二人ともかなり安定しており、なかなかの活躍をしてくれている。

フチーリは、ポルトガルポルトからの移籍で現役ウルグアイ代表だ。フアンは、サンパウロからの移籍である。

それ以外は、去年と同じメンバーである。

さて、試合は終始完全にサントスのペースで進んだ。

相手が完全に格下ということもあるだろうが、相手にまったくチャンスらしいチャンスはなかった。

いつゴールが決まってもおかしくなかったが、最初のゴールが決まったのは、前半23分だった。エラーノからのロングパスをネイマールが折り返し、ガンソが技ありのループシュートを決めたのだった。

私は、ちょうど反対側のゴール裏にいたが、きれいな弧を描きボールがゴールに吸い込まれていく様子がよく見えた。初めてのゴールが決まったということで、私もそうだが、周りのサンチスタたちは大喜びだった。

そして、前半32分、またもエラーノからネイマールへ鋭いパスが通り、最後はゴール前のボルジェスが合わせるだけのゴールが決まったのだった。

前半を終え、2-0でサントスリードで折り返した。

さて、後半もサントスの勢いは衰えなかった。

後半18分、フチーリが負傷退場した後、右SBに移動したエンヒーキが右サイドを駆け上がり、クロスを出し、ネイマールが合わせて、3点目が入った。

私の観ていたすぐ近くのゴールだったし、一番のスター選手のネイマールが決めたことで、スタジアムは最高に盛り上がった。

その後、後半25分には、ガンソ、ボルジェス、そして最後は再びガンソにパスを繋げ、ガンソが2点目のゴールを決め、そして後半34分にガンソからのロングパスをネイマールが受け、GKの動きを見て、ゴール前でボルジェスにパスし、5点目が決まったのだった。

結局、5-0でサントスが圧勝した。まさに100周年記念の試合にふさわしい内容だった。

それ以外にも、あと2~3点ぐらい決まってもおかしくないような試合内容だった。

私は、試合を観ている間に、こんな素晴らしい試合を目の当たりにでき、感動して涙が出そうになった。

たまたま観ることができたのだが、今のサントスの素晴らしい姿が見れて、本当に感動しそうになった。

私は、ずっと2010年前季のサントスが一番強いと思っていたが、今のサントスも相当に完成度は高いのではないかと肌身で感じた。

この日、一番よかったと思ったのは、何とガンソだった。

ガンソは、去年の8月、サルヴァドールのピトゥアス競技場で観たとき、こんな下手な奴がいるかと思ったぐらいだったが、この日は見違えるほどの出来だった。

パスしかできないと思っていたが、パスはほぼすべてにおいて正確だったし、積極的にゴール前に向かい、2ゴールも決めたのだった。

その次は、やはりネイマールだ。魅せる魅せる。こんな試合展開なので、観客も、「シャぺウ!ネイマール!」などと声援を送ったりして、ネイマールもそれに応えるように、さんざん技を魅せつけてくれた。相手が超格下ということもあるが、ネイマールの個人技は冴えわたっていた。

ほかにも、エラーノプレースキックなどの精度は、昨年に比べ、かなり落ちるなぁと思ったが、流れの中ではいいパスを出したりしていた。

久々の先発出場だったし、今年あまりいいところを見せていなかったので、エラーノにはゴールも期待したのだが・・・。まあ、それでもいいきっかけとなる試合にはなったのではないだろうか・・・。

途中出場のボランチアドリアーノも安定していたし、本当に久々の出場となった昨年の左SBのレギュラー、レオも途中出場し、存在感を見せてくれた。

本当に素晴らしい試合だった。

こんな試合を観ることができたことに、感謝したい気持ちだった。

そんな最高の気分のまま、いつものように、スタジアムから約15分、長距離バスターミナルまで歩き、サンパウロまでのバスに乗り込んだのだった。