第6節ボタフォゴSP対サントス サントス(結果的に)今季初の快勝!ネイマールが魅せてくれた!

2月9日(木)夜9時から、サントスの試合がありTV観戦した。

ブラジルでは通常週2回試合が行われるが、サンパウロ州随一の人気チーム、コリンチャンスの試合が必ずといっていいほど水曜の夜9時50分と日曜の夕方5時(夏時間のため。通常は4時)開始なのに対し、今季のサントス戦は、木曜の夜9時と日曜の夜7時半開始が続いている。

コリンチャンス戦は完全にTV放映の関係だが、サントス戦はどういう理由かわからない。ただ、コリンチャンス戦とだぶらないようにしているのだろうか・・・。

今回の対戦相手ボタフォゴだが、あの有名なリオデジャネイロボタフォゴではない。サンパウロ州のインテリオール(地方)の都市、ヒベロンプレートを本拠地とするチームである。サンパウロ州選手権では毎年のように1部で戦っているが、ブラジル選手権では4部にも入っていないようなチームである。

リオのボタフォゴなら、監督には、去年まで鹿島アントラーズにいたオズワルド・オリヴェイラ鳴り物入りで入ったし、闘莉王の移籍が噂される名門チームだが、サンパウロボタフォゴは超格下である。

さて、前節劇的な大逆転負けを喫したサントスは、上位8位までに入るためには、何としても勝ちたい試合だった。

この日も(ほぼ)ベストメンバーで臨んだ。

前節と違うのは、CBの一人がドゥリヴァウからヴィニシウスへ、SBが右パラー左に初めて出るパウロ・エンヒキ(ガンソとは別人)になり(前節は右マラニャオン、左パラー)、そしてFWのボルジェスに代わりアラン・カルデッキが9番をつけて先発していたのが変更点である。それ以外は、前節パウメイラス戦と同じだった。

前半、サントスがボールを支配するが、決定的なチャンスまでは繋がらない。サントスのボール支配率は約65%と圧倒的に支配するが、まったくゴールの予感が感じられないのだ。ゴールの予感がないので、相手にとってもまったく脅威ではないだろう。

そんな展開の中、ボタフォゴにゴールが決まったのだ。前半35分に、(サントスの)右サイドがきれいに崩され、きれいなクロスが入り、あっけないほど簡単にゴールが決まってしまったのだ。

サントスは、また先取点を奪われ、劣勢を強いられる展開になったのだ。

これで、今季全6試合で、先制できたのは、前節の負けたパウメイラス戦だけで、他の5試合はすべて先制されているのだ。

1点リードを奪われたことにより、サントスに余裕が失われた感じがする。これだけのメンバーを揃えて、超格下相手に自由に攻め込むことができないでいるのだ。

最近、世界のクラブランキングが発表された。1位は当然の如くバルサ、2位がレアル・マドリッドなのはわかるが、3位が驚くことにアルゼンチンのヴェレスというチームだった。ブラジルの最高位は6位のサントスである。他のブラジル勢では、ヴァスコが25位、インテルナシオナルが27位とだいぶ空いてしまう。

普通に考えれば、サントスはどんなに頑張っても20位ぐらいだろう。どういう基準で決められているのかわからないが、不思議なランキングである。

そんな世界6位のチームとおそらく世界3000位ぐらいにも入れないようなチームとの対戦でこの有様なんだから、本当に絶望的な気分になってしまう。

もうあきらめに近い気分でTVの画面を見ていた。

後半、サントスの攻撃は多少よくなった感じはしたが、ゴールの予感がないのは、前半と同様だった。

しかし転機が訪れたのは、残り15分を切った後半31分だった。エラーノが退いたため、ガンソがFKを蹴ったのだが、それをゴール前で頭で合わせてゴールが決まったのだ。

誰かと思ったら、ネイマールだった。

ネイマールにヘディングのイメージはほとんどなかったが、前節の誕生日ゴールといい、今季の最初の2ゴールが同じような形でのヘディングで決めたものだった。

これで、やっと五分に持ち込むことができた。

そして、その直後、ネイマールがゴール前に切り込んでいき、ペナルティエリア内で倒された。PKである。

これをネイマール自らが決め、あっという間に逆点に成功したのだ。

しかし、サントスの弱さをさんざん目の当たりにしている身からしたら、まったく安心して見てられない。

しかし、サントスの選手たちもバカではないだろう。前節の教訓は生かさなければならない。

サントスは、防戦一方にはなっていなかった。

そんな中、ロスタイムにペナルティエリア内でパスを受けたネイマールがGKをうまく交わし、ダメ押しの3点目が決まった。

その直後には、DFを抜き去ったネイマールが途中出場のフェリペ・アンダーソンに絶妙のパスを出し、4点目が決まったのだ。

結局終わってみれば4-1のサントスのゴレアードだった。

この日および翌日のスポーツニュースでは、「サントス、ショー・ド・ネイマールで快勝!」と報じられたのだった。

これで、11位から8位に浮上。やっとG8と呼ばれる決勝トーナメント進出圏内に入ることができた。他の4大チーム(コリンチャンスサンパウロ、パウメイラス)が上位3位を占めているのとは対照的である。

確かに、この日のネイマールは、3ゴール1アシストと大活躍だった。さすがネイマールと思わされた。

しかし、これだけの格下相手には、5-0ぐらいで簡単に勝つぐらいでなければ、次週から始まるリベルタドーレスなどとても戦っていけないだろう。

とはいえ、結果的にサントスが快勝してくれたことは嬉しいことである。

それも、前節悔しい劇的な負け方をした直後だったし、絶対的エースのネイマールが前節に続きゴールを決め、大活躍してくれたことは頼もしい。

しかし、これだけでは安心できない。

常に安定した戦いぶりを見せてほしいと思うのである。