第5節サントス対パウメイラス ネイマール誕生日記念100ゴールを決めるが勝利飾れず。今年のサントスはかなり厳しいと言わざるを得ないだろう。
本日、2月5日はネイマールの誕生日だ。20歳の記念すべき日に今年初のクラシコの試合があった。対パウメイラス戦である。
2月5日生まれのサッカー選手は、ほかにもクリスチアーノ・ホナウド、カルリットス・テヴェスもおり、クラッキ揃いである。
さて、そんなネイマールの記念すべき日、わがサントスの試合はどうだったのだろうか・・・。
2012年のブラジルサッカーは、2週間前の1月21日から開始された。ブラジル中の各州で州選手権が開始されたのだ。
ブラジルでは、例年、1月下旬から5月上旬まで各州で州選手権の大会が行われ、5月中旬から12月上旬までホームアンドアウェイで行われるブラジル選手権が行われるのである。
それに並行して、2月から7月ごろまで南米王者を決めるリベルタドーレス杯が、3月から8月ごろまでブラジル国内のカップ戦であるコッパドブラジルが、そして、9月から12月ごろまでリベルタドーレスに次ぐ南米クラブチームによるカップ戦であるコッパスウアメリカーナが行われるのである。
ということで、現在、ブラジル国内では、ブラジル中の各州で州選手権が行われているのである。
ブラジルでは、すべての州にサッカー連盟があり、その各州のサッカー連盟が主催する大会が各州で同時期に行われるのだ。
さて、私の応援するサントスであるが、サンパウロ州選手権で戦いを始めているのだが、戦績はいま一つである。今まで4試合を終え、1勝3分けの勝ち点6で全20チーム中9位と中位に沈んでいるのだ。
サントスは、この大会を相当になめているのか、最初の3試合を総控えメンバーで戦っていたのだ。ネイマールやガンソなどのベストメンバーが出てきたのは前節の第4節からである。
この大会、毎年のようにルールが改定され、昨年からは、全20チームでリーグ戦を戦い、リーグ戦の上位8チームが進出する決勝トーナメントで優勝を決めるものになった。そのため、リーグ戦では上位8位に入ればいいので、それほど真剣に戦わなくてもいい、という発想になってしまうのだ。だから、サントスのようにこんななめた形で臨むチームまで出てきてしまうのだ。
さて、本日の試合は、サントスにとってベストメンバーで臨む2戦目である。
サントスの先発メンバーを見てみよう。
GK:ハファエロ・・・昨季からのレギュラー
右SB:マラニャオン・・・昨季はレンタルで他チームに出ていたが、今季戻ってきた。2年前はサントスにいたが控えメンバーだった。
CB左:ドゥリヴァウ・・・昨季からのレギュラー
CB右:ブルーノ・ホドリゴ・・・昨季からの控え。レギュラーのエドゥー・ドゥラセーナは前節に続き出ていなかった。
左SB:パラー・・・2010年はレギュラーだったが、昨季は控え。左右どちらもできるが、力量は、昨季のレギュラーに比べるとかなり劣る。
ボランチ:アロウカ・・・昨季からのレギュラー
エンヒーキ・・・昨季は準レギュラー。アドリアーノが怪我で不在のため、しばらくはレギュラーとして出場している。
MF:エラーノ・・・昨季からのレギュラー
ガンソ・・・昨季からのレギュラー
FW:ネイマール・・・昨季からのレギュラー
ボルジェス・・・昨季からのレギュラー
の11名である。
この先発メンバーだけ見ても、まったく補強できていないことがわかる。特にSBは昨季に比べてかなり劣ると言わざるを得ない。
サントスは、今年2012年は、創立100周年のメモリアルイヤーである。しかし、驚くことに、今季を迎えるに当たり、一人も補強していない。ブラジルにチーム多しといえども、こんなチームは一つもないだろう。
普通100周年のような大事な年には、驚くぐらいの鳴り物入りの補強をするものだと思うが、ゼロなのである。2年前に100周年を迎えたコリンチャンスとは対照的である。
特に、昨年12月のクラブW杯で、サントスの守備のざるぶりは世界中に露呈されたはずだが、まったく補強されていないのである。
加入者ゼロなのだが、退出者は出ているので、完全に戦力ダウンである。とても、本気で100周年を迎えるチームだとは思えない。
ネイマールの給料を払うために、新しいメンバーをまったく買うことができなくなったのだろうか・・・。本当に、今年1年、先が思いやられる。
最近のサントスは、本当に弱かった2008年2009年が嘘のように突如強くなった2010年をピークにだんだん弱くなってきている気がする。2011年に少し弱くなり、今年2012年はさらに弱くなるのではないだろうか・・・。
対戦相手のパウメイラスは名門チームだが、最近はタイトルから縁遠い。
さて、この日の試合は、ほぼ互角の戦いだった。前半は0-0。珍しくサントスは先取点を奪われなかった。ここまで、サントスは毎試合、先制点を奪われ劣勢の戦いを強いられているのだ。
そして、後半28分に、ガンソからのFKをネイマールが珍しく頭で合わせ、待望のゴールが本日誕生日のネイマールによってもたらされたのだ。
これには、サントスベンチは大喜びである。ネイマールもいつものようにダンスをして喜びを表していた。そして、このゴールは、ネイマールの100ゴール目に当たるのだ。誕生日に100ゴールを挙げるなんて、何ともネイマールらしい。
リードを奪ったサントスは、何としても逃げ切りたいところだった。
しかし、そう簡単にはいかないのがサントスのサッカーだ。本当にざるのような守備なので、見ているほうもまったく安心できない。
そんな中、後半43分にCKからヘッドで合わされ、同点に追いつかれてしまった。これで、ネイマールの誕生日弾はふいになってしまったのだ。
それだけではない、その後に、最悪の結末が待っていたのだ。その数分後の後半ロスタイムにオウンゴールで相手に得点が入ってしまったのだ。
なんということだろう。ネイマールの祝福弾のはずが、ゲーム終了間際のほんの数分に立て続けに失点し、今季初の敗戦を喫してしまったのだ。
まあ、サッカーなんてこんなものなので、仕方がない。
それにしても、今季は始まったばかりだが、今年のサントスには希望が持てない。
ベストメンバーで初めて臨んだ前節は、超格下相手になんとか引き分けるのが精一杯だった。
そして、本日は、劇的な逆転負けである。
100周年を迎える今年、すべてのサンチスタは、2冠を獲った去年以上の成績を期待しているはずだ。
しかし、どうなのだろうか?
サントスの首脳陣たちは、自分たちのチームを過信しすぎていないだろうか?
また強いスペクタクルなサントスのサッカーを見たいものである。