歴史的大敗によりブラジル、ベスト4で散る!この敗戦から立ち直ることはできるのか?
あの衝撃の試合から丸3日が経とうとしている。
これほどの衝撃はないだろう。
優勝候補の筆頭と言われたブラジルが決勝トーナメント、それも準決勝で7-1で負けたのだから・・・。一体何が起こったのだろうか?
この試合、始まるまではかなり楽しみにしていた。
ネイマール抜きのブラジルが、今や最強とも思えるドイツに対してどのような戦いをしてくれるのか、相当に楽しみにしていた。
いつものように日本時間で早朝5時開始の試合、私は目覚まし時計で4:50に目を覚まし、TVをつけた。
選手入場は既に始まっており、ちょうどドイツの国歌が流れていたところだった。
そのあとがブラジルの国歌斉唱。これを聞くことができてよかったと思った。ブラジルの国歌斉唱にはいつも感動する。この日キャプテンを託されたダヴィド・ルイスとGKジュリオ・セーザーがネイマールのユニフォームを持っていた。
ネイマールの代わりはベルナルジ、チアゴ・シウヴァの代わりはダンチだった。ベルナルジが出てくれたことは個人的に嬉しかった。
開始早々、ブラジルは相当積極的に攻めており、かなりいいと思った。
しかし、開始11分、ドイツにCKからあっさりと決められてしまった。
これは正直相当痛いと思った。
ブラジルが勝つためには、絶対に先制点が必要だと思っていたからだ。
そんな私の思いとブラジルの選手たちの思いは一致してしまったのだろうか、その後、ブラジルは相当焦っているように感じられた。とにかく早く1点を奪い返そうと・・・。
そんなブラジルをあざ笑うかのように、ドイツに追加点が入ってしまう。
そして、同じようにまた1点、また1点。立て続けに4点加算され、気づいてみれば5-0になっていた。
こういう時、選手たちは何を考えてプレーしているのだろうか?
監督もハーフタイムではどんな指示をするのだろうか?
後半開始から、フェルナンジーニョに代えてパウリーニョを投入した。
この日のフェルナンジーニョは、前試合のコロンビア戦とは打って変わってまったく機能していないように思えた。
その交代が功を奏したのかどうかはわからないが、後半立ち上がり、ブラジルはよく攻めていた。惜しいチャンスもいくつかあった。しかし、あと一歩届かない。
そうこうしているうちに、またドイツペースになった。
途中交代のシュールレに2点加点され、7-0になってしまった。
最後終了間際にオスカールが何とか1点入れたが、最終スコア7-1で、ブラジルはドイツに歴史的大敗を喫したのだ。
フレッジがボールを持つと大ブーイング。ブラジルのスタジアムではおなじみの放送禁止用語を使っての最大級のヤジを相手選手ではなく味方選手に送っていたのだ。そして、ドイツがボールを持つと、オーレ・オーレの大合唱。こんな光景、誰が想像しただろうか?
私が率直に感じたのは、これが現実、ドイツとブラジルにはこれだけの実力差があったということだ。
これは、ネイマール、チアゴ・シウヴァがいないなんていう問題ではない。ブラジルというチーム力の問題だ。
今まで、サントスとバルセロナが戦った2011年のクラブW杯の決勝戦ほど衝撃を受けた試合はなかった。この時、ブラジルサッカーはヨーロッパのサッカーに比べて、圧倒的にスピードが足りないと感じた。
現在のサッカーの王道はヨーロッパだ、と思わされたが、その後、ブラジルセレソンは、2013年のコンフェデ杯をイタリアを破り、スペインを3-0で破り優勝したのだ。
セレソンの選手たちの多くはヨーロッパでプレーしているせいもあり、その辺のところは克服できたかと思われたが・・・。
しかし、現実はそうではなかったのだ。
この現実をどう受け止めればいいのだろうか。
あまりに現実は厳しすぎる。
この試合を受けて、ブラジル現地では、今回のW杯は思い出したくない最悪の大会になってしまったのではないだろうか。世界中に恥をかくだけの大会に・・・。
今まで、準々決勝まで、必死に積み上げてきたものが一気に崩れ落ちてしまったようで、残念でならない。
翌日の準決勝のもう1試合、オランダ対アルゼンチン戦にも、多くのブラジル人が観戦に行っていたはずだが、セレソンのカナリアイエローのシャツを着た人は極端に少なかった。それはそうだろう。恥ずかしくてそんなもの着れないだろう。
前回の地元開催の最終戦、ウルグアイに2-1で敗れ優勝を逃した試合を、マラカナンの悲劇と呼び、後世まで語り継がれている。
しかし、今回の試合は、それをはるかに上回るほどの歴史的屈辱的な試合として後世語り継がれることになるだろう。
もしかしたら、またユニフォームの色を変えることになるかもしれない。
とにかく残念な結果だが、これが現実だ。
現実を正視し、克服していくしかないだろう。
これは、何とも残酷なことだが、ブラジルにはもう1試合、3位決定戦が残されている。
この試合、ブラジルセレソンにとっては正念場だ。ここでいい試合をすれば、国民はある程度は見直してくれるだろう。しかし、また同じような試合をしたら、それこそブラジル国民から総スカンを食らうことになるだろう。
相手はオランダだ。ここでもう1試合戦えることはチャンスでもある。
最後にブラジルセレソンの意地を見せてほしいものである。