[国際親善試合]ブラジルU23代表x日本U23代表 リオ五輪ブラジル代表 期待通りに強力3トップ+フェリペ・アンデルソンが魅せてくれた! 五輪日本代表に完勝!
これほど楽しみな試合は本当に久しぶり、というぐらい楽しみな試合だった。
ここ数年、ブラジル代表と日本代表は毎年といっていいぐらいに親善試合をやっているが、リオ五輪を戦う上で両チームにとってもっとも大事なこの時期に、このカードを組んでくれたことにまずは感謝したい。
さて、そんな楽しみな試合だったが、世界中が注目するネイマール(バルセロナ)とWガブリエウ(ガビゴウ(ガブリエウ・バルボーザ、サントス)、ガブリエウ・ジェズス(パウメイラス))の3トップ、そして私の注目するフェリペ・アンデルソン(ラツィオ)が揃って先発してくれた。先のコパアメリカのメンバーでもあったCBのマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、ボランチのラフィーニャ(バルセロナ)を除けば、あとはブラジル国内組で固めていた。
両チームどのような入り方をするか注目していたが、開始早々から完全にブラジルのペースになった。
最近のブラジルのフル代表はパッとしていなかったが、このリオ五輪代表チームは試合開始早々から冴えまくっていた。魅せてくれた。
ネイマールを中心とした強力3トップが前線で流動的に動き回り、その1列後ろに構えるフェリペ・アンデルソンが効果的にボールに触り、相当に分厚い攻撃をつくっていた。
日本はほとんどゲームをさせてもらえない展開が続いた。
そんな中、給水タイム明けの前半33分に、ガビゴウがゴール前で抜け出し、ほぼフリーの状態で打ち抜いた球がきれいにゴールマウスに入っていった。これはCB植田の体に当たっていたが、完全にガビゴウのゴールだ。さすがのガビゴウ、魅せてくれた。
その後、ネイマールのCKからCBマルキーニョスがきれいにヘッドで決めて、前半は2-0のブラジルリードで折り返した。前半、日本の見せ場はまったくといっていいほどなく、シュートゼロで終わった。
後半は、メンバーを若干いじったこともあり、ブラジルも前半ほどの冴えは見られず、日本もいくつかシュートまで持ち込めるシーンもあった。しかし、終始ブラジルの方が上手だった。
前半が想定しているベストメンバーでの最終テストなら、後半は、いろいろなメンバーを試すといった感じだった。
そのまま2-0でブラジルが勝利した。
この試合を見て、まずはホッとした、というところが正直なところだった。
コパアメリカで失敗したブラジルだったが、五輪代表チームはなかなか楽しみだと思った。
やはり期待していた通り、強力3トップは、それぞれがプレーで魅せてくれたし、フェリペ・アンデルソンが思った以上によかった。そして、両ボランチであるラフィーニャとチアゴ・マイヤ(サントス)が守備と攻撃のバランスがよく、適宜に攻撃に絡み、分厚い攻撃を組み立てていた。
ネイマールも自我をそれほど出す感じでもなく、Wガブリエウをはじめチームメート達をうまく引き出している感じを受けた。
ただ、相手が日本だっただけに真の実力は計れないと思った。日本代表もフル代表ならある程度の実力がわかるが、この五輪代表チームの実力は未知数だからだ。
また、特に前半、いくつも決定的なシーンがあったが、決めきれていなかった。これは課題だろう。
しかし、先のコパアメリカで見たフル代表よりこのチームのほうがいいのではないか、と思わせるぐらい魅力的なサッカーをしてくれていた。特に前半のサッカーは久々に見ていてわくわくさせてくれた。
一方の日本はどうだったのだろうか。
相手にネイマールはいるが最近のブラジルはまったく結果が出ていないので、かなりいい戦いができると思ってこの試合に臨んでいたはずだ。
後半多少見せ場はあったが、完敗といっていいだろう。
采配にも疑問を感じた。バックアップメンバーを試すことも長い将来を考えると悪くないことかもしれない。しかし、リオ五輪に出ないメンバーを試してどうするのだろうか。今は直後にひかえている大一番のリオ五輪本番を見据えた戦いをするべきではないだろうか。
ネイマール、そして将来の世界的スターになるだろうWガブリエウと同じピッチで戦ったという事実は得ることができたが、日本にとってこの試合が最終テストマッチとしてふさわしい戦いができたかどうかは疑問だ。
とはいっても、日本にも当然頑張ってほしい。
このチームはアジア予選で見せたしぶとさが身上だと思うので、リオ五輪本番ではやってくれると信じている。
早いもので、リオ五輪本番まであと5日だ。
ブラジル、日本ともにすばらしい戦いをみせてほしいと思う。
そして、ブラジルには、世界中にこれぞブラジルサッカーだ、というところを魅せてほしいと切に願う。