チャンピオンリーグ決勝に見るブラジル人選手の活躍

毎年楽しみにしている試合の一つが、UEFAチャンピオンズリーグの決勝である。

今年は、6月3日(土)午後8:45(日本時間4日(日)早朝3:45)からウェールズカーディフで行われた。

日本では、フジテレビ(地上波)で生放送されるので、土曜の深夜だが、毎年見るようにしている。ブラジルでも最大のテレビ局であるグローボで生放送しており、土曜日の午後と時間的にもよいので、楽しみに見ていたし、サッカー好きなブラジル人たちも楽しみにしていたものだった。おそらく今でもそうだろう。

今年の対戦カードは、昨年の覇者で今季のスペインリーグ王者でもあるレアル・マドリッドとイタリア・セリエA王者のユベントスとなった。

スペインとイタリアの絶対的王者同士の対戦となり、かなり楽しみな好カードである。

そんな両チームだが、ブラジル人選手も2人ずつ先発し、4人それぞれがいい動きを見せてくれた。

レアル・マドリッドでは、左SBマルセロとボランチのカゼミーロ、そして、ユベントスでは、長年バルセロナで活躍した右SBのダニエウ・アウヴェスと左SBのアレックス・サンドロだ。

マルセロはフルミネンセダニエウ・アウヴェスバイーア出身だが、2人ともスペインリーグがとても長いので、ブラジルリーグで活躍していた時代を知らないが、カゼミーロとアレックス・サンドロはブラジルリーグでよく見ていた。

カゼミーロはサンパウロ、アレックス・サンドロはサントスで主力として活躍していた。2人ともネイマールと同世代で、特にアレックス・サンドロは、ネイマールが活躍していたサントスで同時代を駆け抜けていたので、特に思い入れが強い。今回、惜しくも出場機会がなかったレアル・マドリッドダニーロも、アレックス・サンドロ同様にサントスで同時代に活躍していたので、ぜひピッチに立ってほしかったが、最近はほとんど出場機会を得られていないようだ。

攻撃のレアル、守備のユベントスとよく言われるが、試合の立ち上がりは、ユベントスの猛攻が目立った。目覚める前のディフェンディングチャンピオンを前に、鮮やかに攻撃を仕掛けていた。左SBのアレックス・サンドロが、予想以上に目立っていた。左サイドで攻撃の基点となっていたのだ。しかし、そんなユベントスの猛攻も実らず、レアルが一瞬の隙をつき、前半26分にクリスチアーノ・ロナウドがゴールを決めた。それまでほとんどボールを触れていなかったが、決めるときに決めるのだ。さすが千両役者だ。

しかし、その数分後に、ユベントスは、アレックス・サンドロが基点となり、中央へ折り返したボールをFWイグアインが繋ぎ、クロアチア代表のFWマンジュキッチが美しいオーバーヘッドキックでゴールを決めたのだった。これで試合はおもしろくなったと思った。

ブラジル代表では両サイドバックの2人、マルセロとダニエウ・アウヴェスのマッチアップは見ごたえ十分だった。ダニエウ・アウヴェスは昨年まで長年バルセロナで活躍していたが、移籍先のユベントスでもバルセロナ時代と同様に、十分に魅せてくれていた。この2人、攻撃重視のプレースタイルもよく似ており、2人ともそれぞれのチームのキープレーヤーとして攻撃の基点になっており、意地と意地のぶつかり合いといった感じだった。

前半は1-1で折り返した。

しかし、後半は完全にレアルのゲームになってしまった。

口火を切ったのは、ブラジル人ボランチのカゼミーロだ。後半16分、ほぼ正面から放ったミドルシュートが決まったのだ。

その直後には、クリスチアーノ・ロナウドが試合を決定付けるような追加点を決め、完全にレアルのペースになってしまった。

ユベントスの監督アレッグリの采配もはまらず、終了間際に途中出場のスペイン人の若きFWアセンシオにも決められ、4-1でレアルが2連覇を達成したのだった。

サントスで活躍したアレックス・サンドロが主力として出場していたので、どちらかと言うとユベントスを応援しながら見ており、特に前半がよかっただけに、この試合結果にはちょっと残念に思ったりした。しかし、レアルには底力の違いを見せつけられたので、この結果には納得だった。

そして、この世界最高峰の舞台で、ブラジル人選手たちの活躍を見ることができたことは、本当によかったと思った。

ブラジル人選手たちには、これからも世界の舞台で活躍してほしいと改めて思ったのだった。