【ロシアW杯】ブラジルは前大会の雪辱は果たせず8強で散る

ブラジル代表のW杯は終わった。

準々決勝でベルギー相手に勝つことができず、ロシアの地から去ることになった。

 

準々決勝のブラジル対ベルギー戦が、7月7日(金)21:00(日本時間8日(土)早朝3:00)から行われた。

私は、この日、仕事の関係で、秋田県内にいた。

ホテルにチェックインし、TVをつけてみたのだが、この日試合中継をするTBSのチャンネルが見当たらない。なんと、TBS系は放映されていないエリアだったのだ。

これはある意味、相当な衝撃だった。

W杯の生中継はいろいろなTV局に割り振られているが、なんでこの大事な試合がこのTV局で中継されることになっているのか、他のどこのTV局でも見れたのに、この偶然性を恨みたい気持ちになった。

 

日本が勝ち進んでいたら、秋田県の人は、日本代表の準々決勝の試合が見れなかったことになる。恐ろしい現実を知ってしまった。

 

しかし、今は便利な時代になったものだ。ネット配信という方法がある。

そこでネット配信の方法を探したのだが少し手間取り、試合開始から観ることができなかった。

スマホを操作し、何とか観れるようにできたと思ったら、ちょうどブラジルが失点したところだった。ベルギーのCKから、この日出場停止のカゼミーロ(レアルマドリッド)に代わりスタメン起用されたフェルナンジーニョマンチェスターシティ)のオウンゴールのシーンが何度も映し出されていた。

前半13分、私はブラジルがリードを奪われた瞬間から、スマホの小さな画面でこの試合を観戦することになった。

 

そんな嫌な展開に拍車がかかった。

前半31分、ブラジルのCKのチャンスから一転、ベルギー得意の超高速カウンターがはまった。ルカクマンチェスターユナイテッド)が持ち上がり、ボールを受けたデブライネ(マンチェスターシティ)が右45度の角度から鮮やかな超高速ミドルシュートを決めたのだ。

あっという間にブラジルは2点のビハインドを背負うことになった。

 

今のブラジル代表は守備の堅さが売りなので、ゴールを奪われることはほとんどない。

チチが監督になってから、2点以上取られたことはないようだ。

しかし、この大事な試合で、いきなり2失点してしまったのだ。

 

メンタルの弱いブラジルがどう建て直してくるか。監督チチの腕の見せ所だ。

 

後半開始から、ウィリアン(チェルシー)に代えフィルミーノ(リバプール)を投入した。

 

ブラジルは1点取れれば落ち着きを取り戻し、状況は打開できると思った。

 

しかし、怒涛の攻撃を仕掛けるものの、どうしてもゴールが奪えない。

 

オランダは完全にカウンター狙いだが、そのカウンターは切れ味が物凄く鋭い。

ルカクミランダ(インテル)のマッチアップは相当に見ごたえがあった。ミランダもまったく引けを取らず、頑張って抑えていた。

 

ブラジルは、後半13分、ガブリエウ・ジェズースに代えて、ドゥグラス・コスタを投入した。

ジェズースを代えるのは早いと思ったが、ドゥグラス・コスタは切れ味鋭いドリブル突破を何度も見せてくれた。

 

しかし、ブラジルはゴールを決めることができず、時間だけが刻々と過ぎていく。

 

後半27分には、パウリーニョバルセロナ)に代えてへナト・アウグスト(北京国安)を投入した。

この交代もどうかと思ったが、その直後の後半31分、コウチーニョバルセロナ)からボールをつなぎ、へナト・アウグストがヘッドでゴールを決めたのだ。

へナト・アウグストは本当にいい位置にいてくれて、よく決めてくれた。

 

チチの采配も当たり、ブラジルは攻撃が仕掛けられているので、追いつく可能性は十分感じられた。

今大会は、後半アディショナルタイムに決まるシーンも多いので、劇的な結末も十分にありえると思った。

 

しかし、そんな思いもむなしく、試合はそのまま終わった。

 

両チームの選手たちは健闘を称えあっていた。ネイマールもベルギー選手を称えていた。

 

ブラジルはベスト8で散った。

チチ率いるブラジル代表は、4年前の雪辱を果たせず、ロシアの地を去ることになった。

 

まあ、仕方ないだろう。サッカーなんてこんなものだ。

私の心も不思議と落ち着いていた。

 

サッカーには、運・不運というか、試合の流れというものが必ずある。どんなに強いチームでもそれを着実に捉えられないと勝てない。

これは、サッカー以外にも多くのスポーツで同じことが言えるだろう。

 

今大会、前大会の雪辱を晴らすべく、チチ監督のもと、ブラジル代表選手たちは一体となり、最高の状態で大会に臨むことができた。その新たな戦いぶりに、優勝候補の筆頭にも挙げられ、世界中が注目した。

しかし、大惨敗を喫した前大会のベスト4にも達することができなかった。

 

2002年日韓大会で優勝して以来、2006年以降は、前回のブラジル大会を除き、すべてベスト8で敗退している。

ブラジル国民の期待を背負ったチチ率いるブラジルを持ってしても勝ち上がることはできなかった。

 

セレソンの象徴、ネイマールは輝くことができなかった。

W杯で優勝しないと神格化されることはない。

ペレやマラドーナはそうであるが、メッシやネイマールはそうではない。いや、現時点ではそうではない。

 

セレソンの象徴ネイマール、そしてブラジル代表の戦いはまだまだ続くことになる。

これからさらに4年間戦い続けなければならない。4年後に結果を出すために。

 

今回ベスト4に入ったビッグネームは、フランスだけだ。

今大会では、新たな優勝国が現れる可能性は十分にある。

それはそれで楽しみなことではある。

 

しかし、それと同時に、非常に残念なことではあるが、ヨーロッパの国しか残っていない、という現実がある。

 

世界のサッカーは完全に転換期を迎えているのではないだろうか。

世界のサッカーは群雄割拠の時代に入ったように思う。

 

そんな中、ブラジル代表はどう進んでいくのだろうか。

ブラジル代表の新たな戦いが始まることになる。