【ロシアW杯】まもなくロシアW杯開幕!ブラジル代表は4年前の雪辱を果たせるか?

4年に一度のサッカーの祭典、FIFAワールドカップ・ロシア大会の開幕まで1週間を切った。前回2014年のブラジル大会では、日本国内でもザッケローニ率いる日本代表に対してかなりの期待感もあり、日本国中での盛り上がりもあったと思うが、今回はそれがほぼ感じられない。

私自身についても、前回のブラジル大会では実際に数試合現地に観に行くことにしていたせいもあり、開幕前からかなりの期待感を持って大会を迎えたことを思い出す。

今大会、日本代表への期待がほとんどできない状態ではあるが、対照的にブラジル代表はかなりよい状態で大会を迎える。

 

4年前の準決勝でドイツ相手に無様な姿を世界中に晒したミネイラォンの惨劇、そしてドゥンガが監督に就任しW杯南米予選でも10か国中6位と低迷していたほんの2年前までを知っている者からすると、優勝候補筆頭と言われるまでの状態になったことは奇跡としか思えない。いかに監督の力が重要かということを思い知らされる。

 

さて、そんなブラジル代表のW杯出場メンバーについて、核となる選手15人は早々に2月に発表されている。これは異例なことだ。選手のモチベーション等について、監督チチが考え抜いたやり方なのだろう。

15名に選ばれたメンバーでは、不動の右SB(サイドバック)であるダ二エウ・アウヴェス(パリSG)が5月のフランスカップ戦の決勝で右全十字靭帯損傷のため、復帰には間に合わず残念ながら最終のメンバーに入ることはできなかった。

 

最終的に選ばれた23名だが、ブラジル国内組は3名(コリンチャンス2名、グレミオ1名)、中国リーグから1名、それ以外の大部分はヨーロッパのクラブに所属している選手たちだ。

 

最も多いのは、プレミアリーグイングランド)をぶっちぎりで優勝したマンチェスターシティの4名だ。

 

ブラジル代表は、W杯直前の今月3日と10日に2試合のテストマッチを行っている。それぞれクロアチアオーストリアと戦っているのだが、2-0、3-0と完封勝利を収めている。

 

右足甲を骨折し今年3月に手術を行ったネイマールにとって、6月3日のクロアチア戦が復帰戦となった。

この試合、後半から出場したのだが、早速豪快なゴールを決めるところがネイマールらしい。

続くオーストリア戦では先発出場を果たし、2戦連続でゴールを決めており、順調な仕上がりを見せている。関係者はホッとしたことだろう。

 

この2戦では、ネイマールのほかには、ガブリエウ・ジェズース(マンチェスターシティ)、フィリペ・コウチーニョバルセロナ)、そしてロベルト・フィルミーノ(リバプール)といった決めるべき攻撃陣がきちんとゴールを決めている。

 

先発メンバーについては、1戦目では、怪我明けで途中出場だったネイマールに代わりフェルナンジーニョマンチェスターシティ)が選ばれていたが、それ以外は2戦で共通しており、以下のメンバーで固定されていると考えてよいだろう。

 

GK 1.アリソン(ローマ)

DF 2.チアゴ・シウヴァパリSG

   3.ミランダ(インテル

   12.マルセロ(レアルマドリッド

   14.ダニーロマンチェスターシティ)

MF 5.カゼミーロ(レアルマドリッド

   11.フィリペ・コウチーニョバルセロナ

   15.パウリーニョバルセロナ

   19.ウィリアン(チェルシー

FW 9.ガブリエウ・ジェズース(マンチェスターシティ)

   10.ネイマールパリSG

※番号は背番号。カッコ内は所属チーム。

 

「W杯の借りはW杯で返す。」

これが、ブラジル代表チームの共通認識のはずだ。

前評判も高く、好調をキープしながらW杯本番を迎えるブラジル代表だが、果たして前大会の雪辱を今大会で果たすことができるだろうか?

 

チチが監督になり、明らかにサッカーの質が変わっている。

サッカーでは何が起こるかわからないので何とも言えないのだが、今こそ、新しい強いブラジルサッカーを世界中に見せつけてほしいと思う。

 

ブラジルの弱点を探すとすれば、まずは不動の右SBダ二エウ・アウヴェスの欠場だろう。確かにダ二エウ・アウヴェスの不在は痛い。しかし、その穴はダニーロが埋めるべく奮闘している。

ダニーロは、サントスでもネイマールと同時代に活躍した一人だ。2011年にリベルタドーレス杯で優勝し、日本で行われたクラブW杯にも出場している。その後、ポルト、レアルマドリッドを経て、2017‐18シーズンからマンチェスターシティに移籍し、選手層の厚いチーム内でもレギュラーを奪い取っている。レアルマドリッドでは活躍できず不本意なシーズンを過ごしてきたが、W杯本番で巡ってきた大チャンスだ。この機会を十分に活かし、全世界に向けてアピールしてほしいと思う。

 

もう一つは、メンタルだ。

ブラジル人はメンタルが弱い。これは、意外にも思われるかもしれないが、私が7年間ブラジルで生活してきて一番感じてきたことだ。明るく調子のよいときはいいのだが、負のスパイラルに入ると、なかなか立ち直れない。

しかし、2年前のリオ五輪ではネイマールを中心としたブラジルサッカーチームは、見事にそれを克服し、決勝でPK戦の末、宿敵ドイツを破り金メダルに輝いたのだ。

今度は、W杯で正真正銘の世界一に輝いてほしい。

 

ブラジルのグループリーグ初戦は、6月17日(日)午後9時(日本時間18日(月)早朝3時)に、ロシア南部のロストフ・ナ・ドヌにて、スイスと対戦する。試合の様子は、NHK総合で生中継される。

 

これから1か月間、眠れない日々が続くことになるだろう。

素晴らしい戦いを見ていきたい。

そして、ブラジルのサッカーを思う存分体感したいと思う。

 

頑張れ、ブラジル!