レアルマドリッドの2連覇で幕を閉じたクラブW杯。南米代表ブラジルのグレミオは準優勝に終わった!

サッカーのクラブ世界一を決めるFIFAクラブワールドカップ(以下クラブW杯)が12月6日から12月16日までアラブ首長国連邦で行われた。

去年は日本で開催され、開催国代表の鹿島アントラーズが決勝まで進み、ヨーロッパ王者のレアルマドリッド相手にあわよくばというところまで行き、日本では相当に盛り上がったことを思い出す。

今年は、会場こそ日本ではないが、浦和レッズがJリーグ勢としては9年ぶりにアジア王者として、また本田圭佑が所属するパチューカ中南米代表として出場することで、日本人にとってとても注目度の高い大会となった。

また、南米代表としてブラジルのグレミオが出場することになった。ブラジルサッカーを愛する者としては、とても嬉しく思う。

ブラジルのチームが出場するのは、2013年のアトレチコミネイロ以来4年ぶりとなる。

グレミオは、ブラジル南部の都市、ポルトアレグリをホームとする人気チームだ。ポルトアレグリでは、このグレミオインテルナシオナウが2大チームとして君臨し、ライバルとしてしのぎを削っている。

クラブW杯が始まった2005年以降、インテルナシオナウは本大会に2度出場し、2006年にはヨーロッパ王者のバルセロナを倒し優勝を飾っている。

一方のグレミオは、クラブW杯の前身であるトヨタカップに2度出場し、1983年には現監督のへナト・ガウーショの活躍で優勝を飾っている。

今回のグレミオは、チームのレジェンド、へナト・ガウーショが監督を務め、昨年ブラジルに悲願の金メダルをもたらしたリオ五輪での活躍も記憶に新しいFWルアンを絶対的エースとして擁している。ほかには、香川真司の同僚としてドルとムンドでも活躍したFWルーカス・バリオス、そして昨年までアルビレックス新潟に所属していたSBコルテースもレギュラーとして活躍している。

いろいろと見どころが多く楽しみの積もった大会だったが、結果として、グレミオは決勝にこそ駒を進めることはできたが、注目されたルアンもほとんど見せ場もなく不発に終わり、満足のいくサッカーは見せられなかった。ただし、DF陣の奮闘には目を見張るものがあり、特に両CBのジェロメウとカンデマンの堅守ぶりは相当に目立っていた。

ヨーロッパ王者レアルマドリッドは、初戦の準決勝を開催国代表のアルジャジーラ相手に苦しみながらも逆転で勝利し、グレミオとの決勝でもグレミオのシュートを1本に抑え、ゴールこそクリスチアーノ・ロナウドの直接FKの1点だけだったが完勝し見事に2連覇を飾った。

今回の大会は、決勝戦以上に、それ以前の試合に見どころがあった。

あわやジャイアントキリングかと思われたレアルマドリッドアルジャジーラの準決勝は見ていておもしろかった。

浦和レッズは、初戦の準々決勝でアルジャジーラ相手に0-1で負け非常に残念な結果に終わってしまった。この試合に勝てば、レアルマドリッドと対戦でき、本田のパチューカとの対戦の可能性もあったので、とても残念に思った。

パチューカは本田の活躍が目立った。

本田はパチューカの中心人物として非常に効果的な動きをしており、積極的に何度もシュートを放ちかなり目立っていた。

グレミオとの準決勝でも、パチューカの動きはとてもよく、決勝に駒を進めていても不思議ではなかった。

すごくよい働きをしていただけに、パチューカの最後の試合となった3位決定戦に出場しなかったことはとても残念だった。

しかし、今大会一番評価を上げた選手は、アルジャジーラのFWロマリーニョかもしれない。相当なインパクトを与えてくれた。

今大会では2ゴールを挙げ、クリスチアーノ・ロナウドらと共に得点王に輝いた。特にレアルマドリッド戦の先制ゴールはカウンターで鮮やかに決まり、世界中を驚かせたのではないだろうか。浦和レッズ戦でもアシストを決めており、勝負強さを感じる選手だった。

2012~2014年に名門コリンチャンスで活躍しており、2012年のクラブW杯優勝時のメンバーでもあるブラジル人選手だ。現在27歳で、これからまだまだ活躍していくだろう。2014年から中東でプレーしているようだが、これを機にヨーロッパのクラブへの道が開けるかもしれない。非常に楽しみな選手だと思った。